2024年10月の記事一覧
第2回学校説明会 校長あいさつ
皆さんこんにちは。校長の山本でございます。本日はお忙しい中、本校の第2回学校説明会にお越しくださいましてありがとうございます。
さて、本日は中学3年生の皆さんと保護者の皆様が参加されていることと思います。中学3年生の皆さんは、令和7年、2025年に高校1年生、現役で進学されますと、令和10年、2028年に大学1年生、そして、令和14年、2032年に社会人1年生、または、大学院1年生、多くの方がこのような形になるのではないかと思います。皆さんの就職活動が本格化する大学3年生は令和12年、2030年。現在の高等学校の学習指導要領は、この2030年の社会を想定してつくられています。現在ある仕事がなくなっている、あるいは、新しい仕事がたくさん生まれている。こんな話を聞いたことがある人も多いのではないかと思います。
本校では現在、埼玉県教育委員会と連携して、アントレプレナーシップ教育に取り組んでいます。1年生を対象に、9月11日に早稲田大学の教授や学生とワークショップを行い、今月の22日には、3名の現在活躍されている起業家の皆さんをお迎えしてパネルディスカッションを行いました。高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら新しい価値を創造する力など、これからの時代を生きていくために必要な力を育成することを目的として取り組んでおります。
中学3年生の皆さんは、これからの時代を生きていくために必要な力を身に付ける上で最も適した高校、大学を選ぶという切実な課題に直面されていることと思います。高校、そして大学は、どこも同じではありません。皆さんにとって本当にふさわしい選択をしていただく、そのお手伝いの一環として、本日は、蕨高校の特色について、説明させていただきたいと思います。
実は、蕨高校の特色は、本校の「目指す学校像」に集約されています。恐れ入りますが、お手元の学校案内の3ページをご覧いただきたいと思います。
本校の目指す学校像は、「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる~」でございます。
まず、「進路希望の実現」を真っ先に掲げています。育てたい生徒像は、後半の「グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人」でございます。こうした人材は、高校3年間はもちろんのこと、大学での学びもあわせて育成されるものと考えます。であるならば、高校卒業後の大学選びが重要となります。「行ける大学」ではなく、「行きたい大学」で過ごす4年間によって、皆さんの人生は大きく変わってくると思います。そう考えるとき、高校選びがますます重要になってきます。
蕨高校の特色は、中高一貫校では6年間で行っている進路実現に、3年間で、しかも「文武両道」というスタイルで取り組むところにあります。
申し遅れましたが、私は本校24期の卒業生です。蕨高校は私のころから文武両道、私も男子バスケットボール部を引退まで3年間継続し、本校の伝統行事である運動会、臨海学校、現在は林間学校ですが、強歩大会などを通して、人生の土台をこの蕨高校で築いてまいりました。私が聞いたところでは、昭和32年に蕨高校を当時の蕨町がつくる際、お隣の旧浦和市に県立浦和高校があるのであれば、蕨町には蕨高校が必要だということでつくられた、ということです。現在に続く体育的行事は、このような経緯のもと始まったようです。こうした数々の学校行事や部活動を通じて、知徳体のバランスの取れた「生きる力」を育む点は、蕨高校の特色の一つと言えると思います。
私は本校を卒業したのち、令和4年に校長として戻ってまいりました。着任当初に受けた衝撃は、今も忘れることができません。私の母校は、40年のときを経て、素晴らしい学校に変わっていました。わかりやすい例を挙げますと、国公立大学の現役合格件数です。24期の私の代は24人でございましたが、創立50周年の年に初めて40人に達し、創立60周年の年に60人を超え、令和に入って100人を超えるようになりました。つまり、ここ数年で急激に合格実績が向上しているということになります。
こうした合格実績は、えてして独り歩きしがちなものですが、合格実績をその学校の総合的な教育力の成果と捉えるならば、その要因が気になるところです。いったい何が蕨高校を変えたのか。私は当初、「授業がよくなったのではないか」と仮説を立てました。
あれから3年、私は毎年授業を観察しておりますが、本校の教職員の指導力には確かなものがあります。今週もいくつかの授業を見学しましたが、クラス全員取り残すことなく「授業がわかる」領域に引き上げていこうとする、教職員の強い意志を感じました。教職員の「わかる」授業に生徒が信頼を寄せる、その積み重ねが、現在の、勉強も、部活動も、学校行事も頑張る、蕨高校の校風を築いているのではないかと思います。
また、本校は普通科のほかに外国語科を有しており、国際交流活動が盛んです。
まず外国語科ですが、近年の本格的なグローバル化の進展を受け、その重要性がますます高まっています。普通科との最も大きな違いは、「ディベート・ディスカッション」や「エッセイ・ライティング」などの外国語科特有の授業があることです。英語4技能の実力を実際に活用できるレベルにまで高める内容となっております。一方、この春の卒業生が国公立大学に現役で7名合格するなど、大学の合格実績も普通科に引けを取りません。本校の外国語科で学んだ卒業生が、一橋大学の大学院を経て、この春からキャリア官僚として活躍しているなど、うれしいニュースも届いています。
次に国際交流活動ですが、毎年7月にオーストラリアへの短期派遣研修を実施しております。今年も29名の生徒がホームステイしながら現地の学生と英語で交流しました。また、留学生については、今年は中国やオーストリア、ニュージーランドやベルギーから受け入れており、日常的に交流が行われております。
最後に、「次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」観点からは、今年度は文部科学省の「DXハイスクール」の指定を受けており、DX人材の育成に努めております。今年は7月に進路指導の一環として、東北大学のキャンパスツアーに9名の生徒が参加しましたが、それに加えて、11月に早稲田大学と芝浦工業大学へ生徒による先進校視察に行くこととしております。また、DX教育に係る環境整備の一環として、アウトプットに必要な3Dプリンタも複数台、新たに購入しております。
本校普通科は2年生まで共通のカリキュラムとなっており、2年生まで文系・理系を問わず、数学をしっかり学びます。教科情報の授業の充実と併せ、未来のDX人材の育成に取り組んでまいります。
いかがでしょうか。「目指す学校像」に集約された、本校の特色につきまして、その概要を説明させていただきました。本日はこの後、教職員や生徒によるさらに詳しい説明が続きます。お手元の学校案内の表紙にございますように、本校は「Wの挑戦」、挑戦する蕨高生としてアグレッシブな高校3年間を過ごす決意を持った皆さんの入学を歓迎いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
社会人講演会 校長あいさつ
1年生の皆さんおはようございます。
火曜日のアントレプレナーシップ教育パネルディスカッションでは大変お疲れさまでした。3名の起業家のお話を聞いて、皆さんの進路選択の幅も大いに広がったのではないかと思います。また、皆さんの教室には、来月14日の県民の日に、早稲田大学と芝浦工業大学をそれぞれ訪問する「DXハイスクール大学見学会」の募集が掲示されています。一歩踏み出すチャンスです。多くの1年生の皆さんの応募をお待ちしています。
さて、本日の「社会人講演会」は、総合的な探究の時間の「職業研究」の一環として行われるものです。毎年、講師を、皆さんの先輩である、蕨高校の卒業生の方にお願いしています。本日はお忙しい中、本校33期の卒業生である、太田 真樹様にお越しいただきました。
本日は「人との出会いとチャレンジ~これまでのキャリアを振り返って~」と題してご講演をいただきます。
それでは太田様、よろしくお願いいたします。
アントレプレナーシップ教育プログラム パネルディスカッション 校長あいさつ
1年生の皆さんおはようございます。今日は、アントレプレナーシップ教育プログラムのパネルディスカッションということで、蕨市民会館まで集まっていただきました。
さて、「アントレプレナーシップ教育」と言えば、先月11日の水曜日に、ワークショップを体験していただきました。
ワークショップのベースになった「エフェクチュエーション」という考え方には5つの原則がありますが、ワークショップではそのうちの2つ、「手中の鳥」の原則と、「クレージーキルト」の原則について、実際に体験していただきました。
不確実性が高い時代にあっては、「手中の鳥」、まずは手持ちの手段に目を向け、「クレージーキルト」、あらゆるステークホルダーとパートナーシップを模索することが重要である、ということを、体験を通して理解してもらったのではないかと思います。
アントレプレナーシップ教育では、高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら、新しい価値を創造する力など、これからの時代を生きていくために必要な力を育成することが求められています。
本日は、埼玉県教育委員会のお取り計らいで、実際にご活躍されていらっしゃる3名の起業家の皆さんをお迎えし、パネルディスカッションの形式で、起業家の実際について学ぶことができる、貴重な機会を提供していただきました。
本日のパネルディスカッションの主役は、あくまで1年生の皆さんです。先日のワークショップで体験したアントレプレナーシップについて、パネラーの方々の実際のお話を伺いながら、皆さん自身が理解を深める絶好の機会です。本日のパネルディスカッションの内容を我がものとした皆さんが行動を起こし、チャレンジ精神や創造性、探究心などの起業家精神を身に付けることを期待しています。
以上であいさつを終わります。本日はよろしくお願いします。
修学旅行のしおり 校長のことば
修学旅行では、独自の歴史文化、自然、平和教育など、学校生活では得難い新たな視点を学ぶことが重要です。今回の訪問先の沖縄は、東西1,000km、南北400kmもの広大な海域に、大小160余りの島々が点在しています。美しい自然とともに、太平洋戦争の惨状を今に伝える多くの戦績が残されています。ぜひとも、沖縄を五感で体験し、生きる力、未来を創造する力を育んでもらいたいと思います。
皆さんが学んでいる歴史総合の教科書では、150ページに「日本の敗北」として沖縄戦が取り上げられています。なぜこのような悲劇が生まれたのか、また、どうすれば防ぐことができたのか。現地を訪れることにより、皆さん一人ひとりが、こうした問いに対する皆さん自身の答えを見つけることができることを願っています。