校長室より

2023年7月の記事一覧

7月全校集会 校長講話

 おはようございます。前期の全校集会を迎えました。明日から夏休みが始まります。1年生は林間学校です。先生方には、本当に数多くの夏期補講を設定していただきました。補講を申し込んだ生徒の皆さんは、しっかり出席して、学んだ内容をものにしていただきたいと思います。

 夏休みを有意義に過ごすポイントは、12日の講演会で久保田先生がおっしゃった通り、朝早く起きて、夜は早く寝るというスタイルを確立することです。この生活スタイルを夏休みの期間中続けることができれば、勝ったも同然です。皆さんの頑張りに期待しています。

 さて、6月に、一人の本校の卒業生に会いました。57期で外国語科卒業といいますから、ちょうど1年生から見ると10期先輩ということになります。場所は、南麻布にあるヨーロッパハウスといって、駐日欧州連合代表部の大使館があるところです。

 当日は、環境に関するEUの考え方に共鳴した日本全国の市町村長さんが集まっていて、各市町村における環境への取組について、若者代表の意見を聞くというイベントが行われていました。本校の卒業生は、ユースNGOの代表として、駐日欧州連合大使の隣で、流暢な英語を駆使してプレゼンを行っていました。市町村長さんたちは、ヘッドホンに耳をあて、同時通訳で彼女の主張に耳を傾けていました。

 彼女は本校では剣道部に所属していました。津田塾大学に進学し、1年間ロンドンに留学したそうです。現在は一橋大学大学院の修士課程2年生で、省庁訪問を経て、来年4月からはキャリア官僚として、日本の発展を支えていく仕事に就くことになります。

 彼女の関心がある分野は安全保障だということです。決してやさしい分野ではないと思いますが、使命感をもって国際社会の課題解決に挑戦していく姿勢に、頼もしさを感じました。本校の「目指す学校像」では、「グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」と謳っていますが、実際に卒業生に接してみて、蕨高校の人づくりの方向性に確信を持つことができました。

 ところで、卒業生との懇談会などでは、多くの卒業生から、進学先の大学を選んだ理由として「自分の力を試したかった」という声を聞いています。本校の進路指導では「大学進学の先を見すえて目標は高く」と掲げていますが、同じ努力をするなら「環境にこだわる」ことが大切なのではないかと思います。「蕨高生は難関大学を目指すべき」とよく言われますが、なぜ難関大学を目指すのでしょうか。同じ4年間を過ごすなら、全国から精鋭が集まる環境で、自分がどこまでやれるのか、自分の力を試してみたい。そんな思いを持つ生徒が、少しずつ増えてきているのではないかと思います。考えてみれば、私たちは「Wの挑戦」の旗印のもと、「挑戦する蕨高生」として集まっています。

 いわゆる「生成AI」の普及が進み、将来、どんな職業が引き続き必要で、どんな職業がなくなってしまうのか、本当にわからなくなってきました。10年先のことは誰にもわかりません。だからこそ、自分を成長させてくれる環境選びに妥協せず、目の前の課題に真摯に取り組む姿勢が重要になってくるのだと思います。

 さあ、いよいよ夏休みです。お互いに、ベストを尽くして頑張っていきましょう。

放送委員会 全国大会壮行会 校長より激励

 まずは、第70回NHK杯全国高校放送コンテスト出場おめでとうございます。

 今回出場する朗読部門ですが、昨年度のデータによると、全国から4,958名が都道府県大会にエントリーして、全国大会には294名が参加しています。全国大会に出場するだけで、実に16.9倍の難関を勝ち抜いてきたことになります。

 今月25日からの大会では、芥川龍之介の作品の一節を朗読すると聞いています。テレビのニュースもAIによる自動音声が読み上げている時代ですが、人の心に残る「温かい朗読」というものは、今後も変わることなく残っていくのではないかと思います。

 全国大会に出場するだけで価値のある大会です。当日は思い切り、自分の力を試していただきたいと思います。頑張ってください。応援しています。

蕨高新聞第162号 「環境」にこだわろう

 生徒が勉強に、部活動に、学校行事に全力で頑張る現在のこの校風は、どのようにしてできたのだろうか。

 蕨高校は一つの箱。どんな中学生であっても、一度この箱に入ると、皆このように全力で頑張るようになるのか。それとも、こうした校風に共鳴した中学生のみ入学してくるので、自然と全力で取り組むことが当たり前になるのか。

 これが「伝統の力」というものではないか。本校は開校以来、生徒、教職員、地域の方など関係する方々の多大なる尽力により現在の校風を築き、生徒はのびのびと高校生活を楽しむことができている。皆様に感謝するとともに、この素晴らしい学びの「環境」を、さらに素晴らしいものにしていきたいと思う。

 さて、昨年11月のFIFAワールドカップは記憶に新しいところであるが、元日本代表の本田圭佑氏の解説も大いに話題になった。その本田氏が、今年3月の近畿大学卒業式でゲストスピーチを務め、次のように述べている。

 夢を叶えるために必要なことは「環境にこだわれ」ということ。成果が出せない人は環境にこだわっていない。環境にこだわらないでめちゃくちゃ頑張っている。サッカーで言えば、レベルの高いいい環境で毎日練習をすることで、いい習慣が当たり前になる。

 皆さんは夢を叶えるため、日々学習に取り組んでいる。志望校の選定に際しては、ぜひ「環境」にこだわってほしい。皆さんの夢を叶えるよい授業、よい仲間、よい実績が揃った大学はどこなのか。

 「大学はどこも同じ」では決してない。皆さんの夢を叶える「環境」にこだわってもらいたいと思う。

芸術鑑賞会 校長の話

 皆さんこんにちは。

 前期の期末考査、それから先週の土曜日は模擬試験と、大変お疲れさまでした。また、午前中の学校保健講演会では、睡眠の重要性を中心に、夏休みの計画的な過ごし方について、科学的なエビデンスに基づく貴重なお話を伺うことができました。しっかり計画を立てて、夏休みに臨んでいきたいと思います。

 さて、芸術鑑賞会ですが、今年は音楽鑑賞ということで、シエナ・ウインド・オーケストラの皆様にお越しいただいております。

 この本校の芸術鑑賞会も歴史は古く、40年以上前の私たちのころからありました。もうずいぶん時間が経ちますので、大抵のことは忘れてしまっているのですが、音楽を鑑賞した芸術鑑賞会のことは、不思議と今でも覚えています。音楽の力は偉大です。皆さんもきっと、本日の演奏が、一生心に残る宝物になるのではないかと思います。

 また、本日は、本校の吹奏楽部とのコラボレーションも用意されているとのことです。シエナ・ウインド・オーケストラのメンバーにも、本校吹奏楽部の卒業生がいらっしゃると伺っております。吹奏楽部は昨日の球場応援に続いてのステージとなりますが、プロのオーケストラとのコラボレーションということで、大変楽しみにしております。

 それでは、演奏を楽しんでまいりましょう。よろしくお願いいたします。