校長室より

2022年8月の記事一覧

第1回学校説明会 校長あいさつ

 皆さんこんにちは。校長の山本でございます。

 本日はお忙しい中、またお足元の悪い中、本校の第1回学校説明会にご来場いただきありがとうございます。

 実は、私事でございますが、私は本校24期の卒業生でございます。今から約40年前、本校に在学しておりました。

 40年ぶりに見た母校は、よい意味で大きく変わっておりました。本校の概要につきましては、この後、本校の職員から詳しく説明させていただきますので、私からは、この5か月間で校長である私が感じた、蕨高校が大きく変わった点、「蕨高校のよいところ」を三つほどお話してみたいと思います。

 一つ目は「教員が生徒の面倒をよく見ている」ということです。

 40年前の私のような、いわゆる「斜に構えた」生徒を見かけたことがありません。本校の生徒は集中して授業を受け、部活動に励み、学校行事にも手を抜きません。始業前から部活動の朝練習の声で校内は賑やかですが、試験一週間前ともなりますと、ぴたりと声がやみ、早朝の校内は静寂に包まれます。定期考査の前に限らず、放課後の教室には多くの生徒が残っており、学習しています。夏休みは夏期補講です。通常と変わらない登校風景が見られます。

 最初に見たときには大変驚きました。一体この40年間に何があったのか。本校には私と同じような本校のOBがおりますので尋ねてみました。すると「教員が生徒の面倒を見るようになったのではないか」との回答がありました。少し合点がいきました。

 私が通っていたころの本校は、一言でいうと「自由な学校」。特に進学に関しては、生徒がするもので教員の仕事ではない、とはっきり言われたことさえありました。

 確かに、本校の教職員は、生徒の面倒をよく見ています。ホームルーム教室前の廊下にはよく机といすが置かれていて、日常的に二者面談が行われています。夏期補講のほかに通常補講というものもあり、ふだんの課業日でも補講が行われています。特筆すべきは、夏期補講の種類と数の多さです。ほぼすべての教員が、補講を開講しています。

 二つ目は「授業の質が高い」ということです。

 本校の進路指導では、毎年「進路のしおり」という冊子を作成しています。その中に、卒業生が残した「受験体験記」が掲載されています。生徒から見た学校の様子を知るため、過去3年分の「受験体験記」を熟読してみました。多くの教科・科目で「共通テストや私大受験の対策は、授業や学校配布の教材で十分」との記述を見かけました。

 本校は「文武両道」を謳っています。大学受験に高校の3年間で挑む本校は、その準備に効果的・効率的に取り組むことが求められています。生徒は「文武両道」のもと部活動に取り組む中で、無駄なく効率的に時間を使う術を体得していきます。難関大学に現役で合格した卒業生は、口を揃えて、本校の授業の有用性を説いています。各教科による工夫と改善を経て、どの授業も本当の意味で、生徒のためになるものとなっています。こうした卒業生の「蕨高校の授業は素晴らしい」とのコメントを読み、後輩たちも、絶大なる信頼感をもって授業に臨んでいます。

 三つ目は「自分で考えて行動する姿勢が身に付いている」ということです。

 本校には、昭和63年に創立30周年を記念して建てられたセミナーハウス「さわらび会館」があります。その玄関前には、平成元年度卒業生の卒業記念として「考える人」のモニュメントがあります。私が高校生のときにはなかったので、なぜ蕨高校に「考える人」の像があるのか、訝しく思いました。先ほどの「受験体験記」を読んでわかったことがあります。

 難関大学に合格した卒業生が口を揃えて言っているのが、「自分の勉強法は自分で考えて確立しろ」ということです。つまり「自分で考えて行動せよ」ということです。

 「より上の大会に出場するため練習し続けた人は、よい点数を取るため勉強できる」早稲田大学に現役で合格した吹奏楽部の卒業生のことばです。部活動で身につけた「考えて行動する」姿勢が、学習にもよい影響を与えています。東京工業大学に現役で合格した男子バレーボール部の卒業生は「大事なのは何をしたのかではなく、自分でしっかり考えたかどうかだということ」と言っています。本校では、生徒は部活動を通じて「自分で考えて行動する」姿勢を身に付けています。その姿勢が、勉強する上でとても大きく影響しているのです。

 いかがでしょうか。「蕨高校」という環境で3年間を過ごすことで、皆さんは、皆さんの今後の人生を生きていく上で、とても大切ないくつかの習慣を身に付けることができます。他にも、本校のカリキュラムは2年生まで共通の内容となっています。これは、いわゆる「リベラルアーツ」、教養教育の考えに基づいたものです。今後、皆さんが様々な困難な課題に立ち向かう際、文系であれ理系であれ、様々な知識を組み合わせて活用することが、よりよい解決策を生み出すために必要になってきます。一例を挙げますと、早稲田大学の政治経済学部が数学を必須としましたが、従来の文系にとっても理系の知識が、理系にとっても文系の知識が必要とされています。本校のカリキュラムは、幅広い教科・科目を学ぶ中で、将来の専攻が見えてくるように組み立てられています。この点も、本校の大きな特徴、「よいところ」となっております。

 また、皆さんの中には、本校の外国語科に興味を持ってお越しになった方もいらっしゃると思います。外国語科は、国際化に伴って生じる様々な課題を解決する「豊かな外国語のコミュニケーション能力」と「異文化に対する深い理解」を有する人材を育成するため、平成6年に設置されました。この春の卒業生も、東京外国語大学に現役で3名進学したり、英語検定の1級に2名が合格したりするなど、大変素晴らしい成果を挙げております。この後、担当から詳しく説明させていただきます。

 最後に、本校は令和5年度入学生から、入学時に一人一台の生徒用端末を購入していただく予定です。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 私は本校の卒業生である校長として、本校の生徒に「努力してトップを目指そう」と呼びかけています。「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校」それが蕨高校です。一緒にトップを目指しましょう。皆さんのチャレンジを心からお待ちしております。

 それでは、この後本校の職員から、本校の概要について説明させていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。