校長室から

明日から冬休みに入ります

 本校は2学期制ですので学期末ではありませんが、明日から2週間は後期も一休み、冬休みに入ります。

 今日午後の全校集会の校長講話では、「セレンディピティ」を取っ掛かりに「まずは行動する」について話をしました。

 

 

 今日は「セレンディピティ」を取っ掛かりに話をしてみようと思います。

 12月といえば、毎年その年のノーベル賞授賞式が行われます。今年も、2週間ほど前に吉野彰 旭化成名誉フェローがリチウムイオン電池の発明でノーベル化学賞を授賞されたばかりです。そのノーベル化学賞を2000年に授賞された白川秀樹 筑波大学名誉教授が、導電性高分子を発見されたエピソードをお話しされるときに「セレンディピティ」という言葉をよく使われていました。

 「セレンディピティ」とは、「予期していない、求めてもいない、意図的ではない思いもよらない状況で、偶然によってもたらされた幸運を手に入れること」といった意味です。「セレンディピティ」の例としては、フレミングがペニシリンを発見した時のエピソードや、軍事用レーダーの研究をしていた研究者がレーダーの近くで作業をしていた人のポケットの入っていたチョコレートが柔らかくなることに気づいたことが電子レンジの発明につながった、という話などがよく紹介されるようです。

 これらの例からおわかりだと思いますが、「セレンディピティ」とは単なる偶然ではありません。価値ある偶然がおこったときに、その価値に気づき、価値を見出したからこそ、その幸運を手に入れることができる。つまり、たくさんの経験と努力、そして自分を信じ、物事に打ち込んだ人が、結果として適切な判断力や感性によって幸運をつかみ取ることができる、ということです。ですから、皆さんには、蕨高生である今、そして大学生、社会人と人生を進めていく中で、この幸運をつかみ取る能力を磨いていってもらわなければならなりません。人は誰もが無意識のうちにこの能力を磨いているともいえますが、それを意識していることが、一歩も二歩も先んじることにつながるのだろうと思います。

 では、幸運な偶然を手に入れるにはどうすればよいか。①何と言ってもまずは「行動」。②そして何かに出合ったとき、その出会いに「気づく」こと。③そして出会ったものをよく観察して理解し、出会ったものを「受容」、つまり受け入れること。そこまでできて、初めてその先の成果につながるかもしれない可能性が見えてきます。

 この中で、まず皆さんがやるべきこと、実践すべきことは、①の「まずは行動する」です。言い方を変えれば、アンテナを高く張って、皆さんの将来に幸運をもたらす何かに偶然出合うかもしれない機会をできるだけ増やす、ということです。行動しなければ出合いようがありません。例えば、今日のような講演会や集会での話も、そのつもりで聞いている人とそうでない人とで、幸運への出会いの機会をつかむか逃すかの差となるかもしれない、ということです。ですから、自分の限られた興味だけに閉じこもらずに、それ以外の新たな興味や関心の対象に出合えることを期待して、出かけてみる、参加してみる、いろいろな機会に顔を出してみる、求める何かがありそうだと思う場所に身を置いてみる。一歩踏み出してみる、そんな行動です。蕨高でも、皆さんに様々な機会を捕まえてもらおうと様々な情報提供をしています。ぜひ活用してください。

 3年生は、受験に向けた緊張感ある毎日を過ごしていることと思いますが、自分の力を、そしてもうすぐ春が来ることを信じて、あとはベストを尽くすのみです。大学に入学すれば、皆さんが選んだ大学ですから、行動してみることで素敵な仲間との出会いや体育会(運動会)部活動やサークル等での様々な出会いなど、幸運を手に入れることになるかもしれない出会いがたくさん待っています。

 1・2年生も、1年後2年後のその時に備えつつ、今はこの蕨高生活のさらなる充実を目指して、まずは行動してみてください。

 それでは、どうぞよいお年をお迎えください。