校長室より

第3回学校説明会 校長あいさつ

 皆さんこんにちは。校長の山本でございます。

 いよいよ11月も下旬となり、中学校では進路を決める三者面談の時期を迎えていることかと思います。本校にご関心を寄せていただき、ご来校いただいたことに感謝申し上げます。

 さて、中学生の皆さんは、志望校の「決め手」を探していらっしゃるのではないかと思います。本日はこの後、教頭による学校紹介、生徒による普通科、外国語科それぞれの紹介、進路指導主事による進路指導の説明、外国語科主任による外国語科の説明と続きます。皆さんに本校を選んでいただける「決め手」が必ず見つかることと思います。よろしくお願いいたします。

 ところで先日、本校で勤務経験のある職員と話をしていた中で、さいたま市や川口市などの県南部であれば、校舎がきれいだったり、制服がおしゃれだったりする高校はたくさんある。自分の子どもを進学させる場合、どんな高校がよいかという話になりました。その職員が言うには「私は子どもに蕨高校を勧めたい。なぜなら、私は蕨高校の中を知っているから」とのことでした。

 その場はそれで終わったのですが、しばらくして「蕨高校の中を知っている」という言い回しが気になりました。

 今、たまたま手元にありますが、フランスの作家、サン=テグジュベリの書いた『星の王子さま』という本があります。「いちばんたいせつなことは、目に見えない」というメッセージをご存じの方も多いと思います。私は「中を知っている」という職員のことばから、このメッセージを連想しました。ひょっとすると、普段なかなか外からは見えない蕨高校の「中」が、仮にわかるとするなら、皆さんにもご関心があるのではないか。そう思いましたので、私の考える本校の「中」についてお話ししたいと思います。

 目には見えないものなので、もちろん説明することは難しいのですが、一言でいうと「環境」ということではないかと思います。「伝統」ということかもしれません。

 本校を受験し、合格した皆さんは、この蕨高校という「環境」の中で、人生に一度しかない3年間を過ごすことになります。このことに関連して、元サッカー日本代表の本田圭佑氏は「環境にこだわれ」と言っています。頑張っても成果が出せない人は「環境」にこだわっていない。「環境」にこだわらない状況で頑張っている。夢をかなえるプロセスで一番大事なのは「環境」にこだわること。こんな内容です。高校選択にも通じるものがあると思います。同じ「頑張る」のであれば、環境にこだわって、よりよい環境を選んで頑張ることで、夢の実現に近づく、ということではないかと思います。

 蕨高校は「目指す学校像」を「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校」としております。キーワードは「Wの挑戦」です。蕨高校を目指す中学生は、高校卒業後に実現すべき進路希望を持ち、その進路希望を「Wの挑戦」、文武両道で、勉強と部活動を両立させながら実現するという、強い決意をもって入学してきます。本当に現在の蕨高生は、勉強にも、部活動にも、学校行事にも手を抜きません。

 また、高校の3年間で生徒を育てているのは、本校の教職員です。私は毎年授業を見ていますが、本校の教職員の指導力には確かなものがあります。本校の教職員による質の高い授業に生徒が信頼を寄せる、そうした年月の積み重ねが、本校が皆さんに提供する「環境」の礎となっています。

 先ほどの職員との話に戻りますと、蕨高校であれば、目的意識の高い生徒、質の高い授業という日常の中で、自然と学びに目が向き、生活習慣も整ってくる、こんな「環境」はどの高校にもあるものではない。まさに「いちばんたいせつなことは、目に見えない」わけですが、少しでも皆様とイメージを共有させていただければ幸いです。

 以上、私の考える蕨高校の「中」についてお話させていただきました。それではこの後、本校の魅力の数々について説明させていただきます。皆様にとって、本日の説明会から、高校選択の「決め手」を見つけていただくことを強くお願いし、あいさつとさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。