校長室より

第67回入学式 式辞

 華やかな桜の花をはじめ、たくさんの花が咲き誇り、樹木の緑が芽吹き、すべて生命あるものが生き生きと躍動を始めるこの佳き日に、ご来賓、保護者の皆様のご臨席のもと、埼玉県立蕨高等学校 第67回入学式を挙行できますことに、改めてお礼と感謝を申し上げたいと存じます。

 ただ今、360名に対しまして、入学を許可いたしました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 本校は、創立67年目を迎える歴史と伝統を誇る高校です。目指す学校像として「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる~」を掲げ、普通科・外国語科ともに高度な授業、充実した進学補習、きめの細かい進路指導を貫き、生徒一人ひとりの学力向上と進路希望の実現に向けた取組を積極的に推進しております。

 さて、新入生の皆さんは、今日から本校で3年間の高校生活が始まりますが、高校時代は皆さん一人ひとりの人生の土台をつくるという点で、大きな意味を持っています。実は、私は本校24期の卒業生です。ご縁があり、昨年度、母校である本校に着任しました。皆さんの新たな高校生活のスタートにあたり、本校を卒業した先輩という立場も踏まえ、私は三つの心がけを、皆さんにお話したいと思います。

 一つ目は「自分の志を立てる」ということです。

 高校の3年間で、将来自分は何を学ぶのか、どのような職業に就くのか、また、どのように生きていくのかを徹底的に考えて、進路先を決めるということです。人は誰しも、社会で果たすべき使命、役割があるといいます。とりわけ重要なのは職業です。この高校時代においては、単に大学・学部を選ぶだけでなく、大学卒業後の先にある職業についても十分に考える必要があります。どんな職業を志すか、どんな生き方を志すか、たった一度の人生を賭けて何を実現したいのかといったことを徹底的に考え、人生を構想するのです。その思いは、結果として変わっていくかもしれませんが、高校時代に真剣に考え抜いていくかどうかが、その後の人生を価値あるものにしていくかの鍵を握っていると思います。

 二つ目は「リーダーたるにふさわしい資質・能力を身に付ける」ということです。

 皆さんが生きていくのはグローバル社会です。人、モノ、金、情報が瞬時に世界中でつながっていく社会の中で生きていくことになります。国籍や価値観も異なる多様な人々とチームを組んで、人々のよさを引き出し、それらを束ね、成果へとつなげていくことが求められます。英語の4技能を駆使し、グローバル・リーダーとしてチームで協働しながら新たな知を創造していく能力が求められるのです。クリエイティブなものを創り上げていく前提となるものは、教養だと考えます。幅広い教養の土台の上に高度な専門性を積み重ねた延長上に、新たな知を生み出していく手掛かりがあるのだと考えます。本校では、様々な科目を幅広く学びます。どの科目も知性と感性・健全な心身を育むために欠かせないものです。まず何よりも本校での授業を大切にして、確かな思考力を身に付けてください。

 また、学習を軸としながらも、行事や部活動などに全力で取り組み、汗や涙を流しながら、熱い3年間を過ごしてほしいのです。そうすれば、自ずと進路実現についても、仲間や先生とともに最後まであきらめることなく挑戦し、頂上へたどり着くことができるはずです。

 三つ目は「蕨高生としてのスタイルを身につける」ということです。

 「Wの挑戦」という本校の合言葉を聞いたことがあると思います。蕨高生は夢の実現に向け挑戦する中で、困難に負けない強い精神力と、困難を切り抜ける柔軟な発想や思考力を身につけていきます。キーワードは「文武両道」です。蕨高生は代々、学習、部活動、学校行事に全力で取り組んでいます。とはいえ、この文武両道、「言うは易く、行うは難し」という側面も持ち合わせています。皆さんは自らの進路希望を、高校の3年間という短い時間で実現しなければならないというミッションを抱えています。多くの生徒が、学校の授業のほかに、家庭学習の時間を確保するという課題に直面します。何よりも大切なことは、自らの一日の生活のリズムを整えるということです。昔から「早寝早起き」と言います。健康は何よりも大切です。例えば、朝5時に起床して、夜は22時には就寝するなど、自分に合った生活のリズムを確立することを通して、蕨高生としてのスタイルを身につけてほしいと思います。

 保護者の皆様におかれましては、お子様の御入学、誠におめでとうございます。9年間の義務教育を終えられて、希望と期待に胸を膨らませ、高校生としての第一歩を踏み出すお子様の姿を目の当たりにされ、感慨もひとしおのこととお喜び申し上げます。これから3年間、私ども教職員一同、保護者の皆様と手を携えて、お子様の成長を支えて参りたいと存じます。ぜひ本校の教育方針を十分ご理解いただき、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、3年後の卒業式の際、ここにいるすべての生徒・保護者の皆様が「蕨高校にきて本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。 

 令和5年4月7日 

埼玉県立蕨高等学校長 山本 康義