校長室より

校長室より

令和4年度 外国語科対面式 校長あいさつ

 改めまして、こんにちは。校長の山本です。外国語科の対面式ということで、一言あいさつをさせていただきます。

 外国語科は歴史も古く、平成6年、1994年の設置と聞いております。1年生は、外国語科28期生ということになり、3年生のときに、30周年を迎えることになります。

 本校の『創立50周年記念誌』に、外国語科に係る記載がありました。すでにご案内の方も多いと思いますが、新入生とともに、確認してみたいと思います。

 「外国語科の目的」として、このように書かれています。

 21世紀はますます国際的に物事が進む時代となることが予想され、国境を越えて展開される活動によって世界はますます狭くなりつつあるが、国際摩擦は経済問題にとどまらず、法律や文化の領域まで広がっている。

 問題解決に欠くことのできない豊かな外国語のコミュニケーション能力や異文化に対する深い理解を有した上で、
・ 貿易立国である日本の国際経済をリードできる人、
・ 環境問題・文化摩擦など国際化に伴って生じる様々な問題を複眼的視野に立って検討し、総合的視点から望ましい政策を打ち出せる人や
・ 語学教育を含め、国際人を育成できる指導者
などの人材が求められている。

 蕨高校外国語科は、このような時代の要請に応えることを目的とする。

 いかがでしょうか。特に現状認識のところは、28年前とは思われないくらい、現代にも当てはまると思います。

 「問題解決」のため、「豊かな外国語のコミュニケーション能力」と「異文化に対する深い理解」を有することがまず必要、と書かれてあります。

 世界の中の日本の立ち位置は、本当に難しい情勢です。蕨高校外国語科には、設置時に掲げた目的、ミッションがあります。

 幸いなことに、将来、皆さんが「世界が求めるグローバル人材」となるための第一歩は、この蕨高校の外国語科に入学したことで、果たされています。

 あとは、やるだけです。校長先生は、外国語科の皆さんのチャレンジを、全力で応援します。頑張りましょう。以上であいさつを終わります。

令和4年度 新入生歓迎会(部活動紹介) 校長あいさつ

 皆さんこんにちは。今日は新入生歓迎会、部活動紹介ということですので、一言あいさつを述べさせていただきます。

 始業式で2・3年生の皆さんにはお話ししましたが、私は本校の卒業生です。今から42年前の4月に入学し、バスケットボール部に入部しました。当時の男バスは、3年生がインターハイに出場する強豪チームでした。練習はきつく、疲労から勉強も手につかず、成績はクラスの最下位付近まで低迷していました。バスケットボール部は、公式戦出場こそありませんでしたが、引退するまで続けました。社会人として、県立高校の教壇に立ちました。辛いことや、逃げ出したくなることもたくさんありましたが、その都度、辛かった部活動を最後までやり遂げたということを思い出して自分を励まし、乗り切ってきました。

 本日の部活動紹介をきっかけに、高校3年間継続できる部活動を見つけることができるとよいと思います。

 あと、1 年生の皆さんに一つだけ、自分の体験を元にアドバイスします。

 ともすると部活動は、一生懸命取り組むあまり「思考停止」に陥りやすいところがあります。目の前の練習をこなすのが精一杯で、本業である学業や、自らの進路を考えることが後回しになってしまうことがありますが、それでは本末転倒です。自分のスケジュールのマネジメントをしっかり行うことがとても重要です。

 それでは、部活動紹介が始まります。よろしくお願いします。以上で校長あいさつを終わります。

令和4年度 対面式 校長あいさつ

 皆さんおはようございます。

 本日は対面式ということですので、各学年について、ちょっと調べてきました。

 今皆さんは一堂に会していますが、時代の激しい変化の中にあって、それぞれの置かれている立ち位置も微妙に異なっています。

 まず、3年生の皆さんは「18歳成人」ということで、18歳の誕生日を迎える順に、成人になります。この中には静かに、既に成人という人がいるということになります。成人ですから、例えばクレジットカードの契約など、自らの責任で行うことができます。高校在学中の生徒の中に「成人」がいる、という状況になります。

 次に2年生です。どうやら25年度入試から、共通テストは「6教科8科目」になりそうです。ということは、2年生は最後の「5教科7科目」の学年ということになります。まさに「背水の陣」ということになります。

 1年生はGIGA スクール元年ということで、それぞれの中学校で、一人一台のタブレット端末を一年間使ってきたことになります。授業中にタブレット端末を使うという点では、1年生が先輩にあたりますので、大いにアドバイスを聞いて、参考にしていきたいと思います。

 さて、対面式です。皆さんそれぞれ置かれている状況は微妙に異なりますが、この対面式を境に、学年を超えて親交を深めていただき、生徒会の皆さんのリーダーシップの下、この蕨高校をさらによい学校にしていきましょう。以上で校長あいさつを終わります。

令和4年度 第66回入学式 式辞

 桜前線がここ、機織りのまち蕨を通過し、ただ今、日本列島を北上中です。あらゆることに希望を感じ、胸躍る明るい春の季節になりました。

 埼玉県立蕨高等学校 第66回入学式を挙行するにあたり、多くの保護者のご臨席を得て、このように厳粛に挙行できますことは、入学生はもとより、私たち教職員、在校生にとりましても、この上ない喜びでございます。学校を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。

 ただ今、362名に対しまして、入学を許可いたしました。

 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。

 本校は、創立66年目を迎える歴史と伝統を誇る高校です。目指す学校像として「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる~」を掲げ、普通科・外国語科ともに高度な授業、充実した進学補習、きめの細かい進路指導を貫き、生徒一人ひとりの学力向上と進路希望の実現に向けた取組を積極的に推進しております。

 さて、新入生の皆さんは、今日から本校で3年間の高校生活が始まりますが、高校時代は皆さん一人ひとりの人生の土台をつくるという点で、大きな意味を持っています。実は、私は本校第24期の卒業生です。ご縁があり、この春、母校である本校に着任しました。今、改めて振り返り、つくづく、自分の人生の原点は、この蕨高校にあったとの思いを強くしております。皆さんの新たな高校生活のスタートにあたり、本校を卒業した先輩という立場も踏まえ、私は三つの心がけを、皆さんにお話したいと思います。

 一つ目は「感謝の気持ちと思いやりを持つ」ということです。

 人間は、一人で生きていくことはできません。多くの人とのかかわりあいの中で生きています。本校に入学できたのは、皆さんの努力の賜物だと思います。しかし、決してそれだけではないと思います。皆さんを、骨身を惜しまず育んでくれた家族の存在があったはずです。また、皆さんを時には慰め、時には励まし、勇気づけてくれた先生や友人の存在があったはずです。周囲の人に感謝の気持ちを持ち、それを素直に表現できる人間になってください。

 また、常に思いやりの気持ちをもって生活してください。人間には好き嫌いがあります。自己中心的に物事を考えてしまうこともあります。しかし、他者をかけがえのない存在として認め、その人の身になって考え、心の中にある思いや感情に心を配ってください。

 二つ目は「リーダーたるにふさわしい資質・能力を身に付ける」ということです。

 皆さんが生きていくのはグローバル社会です。人、モノ、金、情報が瞬時に世界中でつながっていく社会の中で生きていくことになります。国籍や価値観も異なる多様な人々とチームを組んで、人々のよさを引き出し、それらを束ね、成果へとつなげていくことが求められます。グローバル・リーダーとしてチームで協働しながら新たな知を創造していく能力が求められるのです。クリエイティブなものを創り上げていく前提となるものは、教養だと考えます。幅広い教養の土台の上に高度な専門性を積み重ねた延長上に、新たな知を生み出していく手掛かりがあるのだと考えます。本校では、様々な科目を幅広く学びます。どの科目も知性と感性・健全な心身を育むために欠かせないものです。まず何よりも本校での授業を大切にして、確かな思考力を身に付けてください。

 また、学習を軸としながらも、行事や部活動などに全力で取り組み、汗や涙を流しながら、熱い3年間を過ごしてほしいのです。そうすれば、自ずと進路実現についても、仲間や先生とともに最後まであきらめることなく挑戦し、頂上へ、トップへたどり着くことができるはずです。

 三つ目は「自分の志を立てる」ということです。

 高校の3年間で、将来自分は何を学ぶのか、どのような職業に就くのか、また、どのように生きていくのかを徹底的に考えて、進路先を決めるということです。人は誰しも、社会で果たすべき使命、役割があるといいます。とりわけ重要なのは職業です。この高校時代においては、単に大学・学部を選ぶだけでなく、大学卒業後の先にある職業についても十分に考える必要があります。どんな職業を志すか、どんな生き方を志すか、たった一度の人生を賭けて何を実現したいのかといったことを徹底的に考え、人生を構想するのです。その思いは、結果として変わっていくかもしれませんが、高校時代に真剣に考え抜いていくかどうかが、その後の人生を価値あるものにしていくかのカギを握っていると思います。

 保護者の皆様におかれましては、お子様の御入学、誠におめでとうございます。9年間の義務教育を終えられて、希望と期待に胸を膨らませ、高校生としての第一歩を踏み出すお子様の姿を目の当たりにされ、感慨もひとしおのこととお喜び申し上げます。これから3年間、私ども教職員一同、保護者の皆様と手を携えて、お子様の成長を支えて参りたいと存じます。ぜひ本校の教育方針を十分ご理解いただき、御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、3年後の卒業式の際、ここにいるすべての生徒・保護者の皆様が「蕨高校にきて本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。

 令和4年4月8日 

埼玉県立蕨高等学校長 山本 康義 

 

令和4年度 前期始業式 校長講話

 改めまして、おはようございます。校長の山本です。始業式にあたり、2年生、3年生の皆さんにエールを送りたいと思います。私は本校の卒業生です。3年生の皆さんとは、ちょうど40年離れていることになります。久しぶりに訪れた母校は、以前とは比較にならないほど素晴らしい学校になっていました。学校を預かる校長としては、身が引き締まる思いです。2年生、3年生の皆さんも充実した高校生活を送っていることと思いますが、最初の校長講話として、少しだけ昔話をしてみたいと思います。

 私は今から42年前の4月に入学し、バスケットボール部に入部しました。当時の男バスは、3年生がインターハイに出場する強豪チームでした。練習はきつく、疲労から勉強も手につかず、成績はクラスの最下位付近まで低迷していました。

 2年生になりました。B校舎1階の東端、現在の講義室にホームルームがありました。このときは学校の授業の在り方などについて、当時の先生方と生徒とで、遅くまで熱く議論しました。議論に付き合っていただいた当時の先生方には感謝しかありません。

 3年生は所謂「私大文系クラス」でした。このときの政治・経済の授業が転機となりました。裁判の判例を扱う授業を通じて法律に興味を持ち、将来は弁護士になりたいと考えました。早速、司法試験の合格者の出身大学を調べました。私立大学で合格者を多く輩出しているのは、早稲田大学や中央大学など、難関大学に限られるということを知りました。気づいたのは高3の2学期。浪人して挑戦する覚悟を決めました。バスケットボール部は、公式戦出場こそありませんでしたが、引退するまで続けました。

 1年間の浪人後、第一志望の法学部への合格はなりませんでしたが、同じ大学の教育学部に合格し、現在の職を得ることができました。

 社会人として、県立高校の教壇に立ちました。辛いことや、逃げ出したくなることもたくさんありましたが、その都度、辛かった部活動を最後までやり遂げたということを思い出して自分を励まし、乗り切ってきました。

 今、振り返っても、つくづく、自分の人生の原点は、この蕨高校にあったと思います。

 どこか合格できる大学に行ければよいという甘い考えから、難関大学に合格しなければ将来は開けないという「気付き」を与えてくれたのは、蕨高校の授業でした。実は、法学部を目指しながら、こっそり教育学部を併願していたのは、少なからず、お世話になった2年時、3年時の担任の先生の出身学部・学科であったということが影響しています。社会人になって頑張る・継続するエネルギーとなったのは、部活動をやめなかったという一点でした。

 さて、皆さんです。私が気付いて本気になったのは3年生の2学期。遅すぎました。しかし、浪人して合格できるということは、そもそもちゃんとやっていれば、現役でも合格できるということです。恐らく皆さんにも、本気になるきっかけが訪れるときが来ると思います。これは残念ながら人それぞれです。そのときに備え、例えば英語検定で2級や準1級を取得しておくなど、備えを万全にしておくことをおすすめします。

 最後に、前任の校長先生と「蕨高校とは要するに何なのか」ということについて話し合いました。共通したのは、蕨高校は「努力してトップをねらう」高校だということでした。令和4年度が始まります。トップをねらっていきましょう。以上で終わります。