校長室より

校長室より

令和4年度 第66回入学式 式辞

 桜前線がここ、機織りのまち蕨を通過し、ただ今、日本列島を北上中です。あらゆることに希望を感じ、胸躍る明るい春の季節になりました。

 埼玉県立蕨高等学校 第66回入学式を挙行するにあたり、多くの保護者のご臨席を得て、このように厳粛に挙行できますことは、入学生はもとより、私たち教職員、在校生にとりましても、この上ない喜びでございます。学校を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。

 ただ今、362名に対しまして、入学を許可いたしました。

 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。

 本校は、創立66年目を迎える歴史と伝統を誇る高校です。目指す学校像として「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる~」を掲げ、普通科・外国語科ともに高度な授業、充実した進学補習、きめの細かい進路指導を貫き、生徒一人ひとりの学力向上と進路希望の実現に向けた取組を積極的に推進しております。

 さて、新入生の皆さんは、今日から本校で3年間の高校生活が始まりますが、高校時代は皆さん一人ひとりの人生の土台をつくるという点で、大きな意味を持っています。実は、私は本校第24期の卒業生です。ご縁があり、この春、母校である本校に着任しました。今、改めて振り返り、つくづく、自分の人生の原点は、この蕨高校にあったとの思いを強くしております。皆さんの新たな高校生活のスタートにあたり、本校を卒業した先輩という立場も踏まえ、私は三つの心がけを、皆さんにお話したいと思います。

 一つ目は「感謝の気持ちと思いやりを持つ」ということです。

 人間は、一人で生きていくことはできません。多くの人とのかかわりあいの中で生きています。本校に入学できたのは、皆さんの努力の賜物だと思います。しかし、決してそれだけではないと思います。皆さんを、骨身を惜しまず育んでくれた家族の存在があったはずです。また、皆さんを時には慰め、時には励まし、勇気づけてくれた先生や友人の存在があったはずです。周囲の人に感謝の気持ちを持ち、それを素直に表現できる人間になってください。

 また、常に思いやりの気持ちをもって生活してください。人間には好き嫌いがあります。自己中心的に物事を考えてしまうこともあります。しかし、他者をかけがえのない存在として認め、その人の身になって考え、心の中にある思いや感情に心を配ってください。

 二つ目は「リーダーたるにふさわしい資質・能力を身に付ける」ということです。

 皆さんが生きていくのはグローバル社会です。人、モノ、金、情報が瞬時に世界中でつながっていく社会の中で生きていくことになります。国籍や価値観も異なる多様な人々とチームを組んで、人々のよさを引き出し、それらを束ね、成果へとつなげていくことが求められます。グローバル・リーダーとしてチームで協働しながら新たな知を創造していく能力が求められるのです。クリエイティブなものを創り上げていく前提となるものは、教養だと考えます。幅広い教養の土台の上に高度な専門性を積み重ねた延長上に、新たな知を生み出していく手掛かりがあるのだと考えます。本校では、様々な科目を幅広く学びます。どの科目も知性と感性・健全な心身を育むために欠かせないものです。まず何よりも本校での授業を大切にして、確かな思考力を身に付けてください。

 また、学習を軸としながらも、行事や部活動などに全力で取り組み、汗や涙を流しながら、熱い3年間を過ごしてほしいのです。そうすれば、自ずと進路実現についても、仲間や先生とともに最後まであきらめることなく挑戦し、頂上へ、トップへたどり着くことができるはずです。

 三つ目は「自分の志を立てる」ということです。

 高校の3年間で、将来自分は何を学ぶのか、どのような職業に就くのか、また、どのように生きていくのかを徹底的に考えて、進路先を決めるということです。人は誰しも、社会で果たすべき使命、役割があるといいます。とりわけ重要なのは職業です。この高校時代においては、単に大学・学部を選ぶだけでなく、大学卒業後の先にある職業についても十分に考える必要があります。どんな職業を志すか、どんな生き方を志すか、たった一度の人生を賭けて何を実現したいのかといったことを徹底的に考え、人生を構想するのです。その思いは、結果として変わっていくかもしれませんが、高校時代に真剣に考え抜いていくかどうかが、その後の人生を価値あるものにしていくかのカギを握っていると思います。

 保護者の皆様におかれましては、お子様の御入学、誠におめでとうございます。9年間の義務教育を終えられて、希望と期待に胸を膨らませ、高校生としての第一歩を踏み出すお子様の姿を目の当たりにされ、感慨もひとしおのこととお喜び申し上げます。これから3年間、私ども教職員一同、保護者の皆様と手を携えて、お子様の成長を支えて参りたいと存じます。ぜひ本校の教育方針を十分ご理解いただき、御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、3年後の卒業式の際、ここにいるすべての生徒・保護者の皆様が「蕨高校にきて本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。

 令和4年4月8日 

埼玉県立蕨高等学校長 山本 康義