校長室より
第66回卒業証書授与式 式辞
早蕨の萌えいずるときを過ぎ、やわらかな大気に包まれたこの佳き日に、令和6年度 第66回蕨高等学校卒業証書授与式を挙行しましたところ、学校評議員 早稲田大学名誉教授 三村 隆男様、PTA会長 成川 瑞枝様、後援会会長 舞原 こずゑ様、同窓会会長 晝間 日出夫様をはじめ、多数の御来賓並びに保護者の皆様の御出席を賜り、かくも盛大に開催できますことに、改めてお礼と感謝を申し上げたいと存じます。
66期の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。皆さんが本校に入学されたのは令和4年4月。コロナ禍による影響がようやく収まりを見せはじめ、様々な学校行事も、本格実施に向け動き出しました。本校の伝統行事である臨海学校の精神を受け継いだ第1回林間学校を、厳しい自然環境の中実施し、成功に導いたのは、66期の皆さんでありました。
令和5年度の蕨高祭の後夜祭では、皆さんが中心となった文化祭実行委員会の発案により、校庭から本格的な打ち上げ花火が上がりました。また、野島前会長率いる生徒会本部役員の尽力もあり、夏の制服にポロシャツが試行として導入されました。花火であれポロシャツであれ、自分たちのアイデアを、周到な準備や粘り強い交渉を経て実現する皆さんの姿勢は、大変頼もしく、素晴らしいものでありました。
さわらび会館前の「考える人」の像に象徴されているように、「自ら考えて行動する」姿勢は、蕨高生の伝統として引き継がれています。卒業生の皆さんも、自らの実践を通じて、しっかりと後輩にバトンを渡すことができたのではないかと思います。
さて、本日、この蕨高校を旅立っていく皆さんに、校長として最後のお話をしたいと思います。それは「自分の好きなことを見つけ、仕事にしてほしい」ということです。
令和4年4月、皆さんの入学式で、私は「三つの心がけ」の一つとして「自分の志を立てる」という話をしました。
人は誰しも社会で果たすべき使命、役割がある、とりわけ重要なのは職業である、どんな職業を志すか、どんな生き方を志すか、たった一度きりの人生を賭けて何を実現したいのかを考えて、人生を構想せよ、こんな内容です。
卒業のときを迎えました。皆さんは今、自らの人生の構想を、どのように描いているでしょうか。
たった3年間ですが、社会は大きく変わろうとしています。AIが社会に浸透し、様々なデスクワークを、効率的に進めることができるようになってきました。一方で、医師や看護師などに代表される「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる職業は、今後ますます重要になると言われています。
私たちのころは、大学を出て「なんとなくホワイトカラー」と呼ばれるような就職も、それなりに許されてきたように思いますが、今後はそうもいかなくなるようです。この人材は何ができるのか、どんな「スキル」を持っているかが問われてくる、そんな声も聞こえてくるようになりました。
もちろん、皆さんが今後進んでいく大学は研究の場であって、就職の予備校ではありません。しかしながら、何ができるのか、「スキル」を身に付けるということについては、より意識的である必要があるのではないかと思います。
蕨高校は今年度、アントレプレナーシップ教育、いわゆる起業家教育に取り組みました。主に1年生が参加しましたが、重要な示唆がありましたので共有したいと思います。
変化の激しい時代にあっては、未来の正確な予測は難しい、こうした時代に起業、新たに事業を起こす場合は、まず、自らの手持ちの資産、例えば自分が続けていて楽しいこと、好きなことから発想を広げていくことがむしろ強みとなる、こんな指摘でした。
アップルの共同創業者の一人であった故スティーブ・ジョブズ氏も、2005年6月のスタンフォード大学の卒業式におけるスピーチで、次のように話しています。
「皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事は人生の一大事です。やりがいを感じるただ一つの方法は、素晴らしい仕事だと心底思えることをやることです。好きなことが見つからないなら、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません。」
ここまで、「自らが果たすべき使命」の話から職業、そして、好きなことを仕事にすることの重要性について話をしましたが、何事も「言うは易く行うは難し」です。好きなことを見つけるのは実は難しいものです。皆さんの先輩として、自らの経験を踏まえ、一つだけアドバイスをします。それは「自分が好きなことを見つける上で、成長することによって見えてくるものがある」ということです。
私事で恐縮ですが、私は大学で弁論を扱うサークルに在籍していたこともあり、将来はジャーナリストを目指して就職活動に励みました。大学4年の夏、第一志望であった某放送局が不合格となりました。仲間の中には、あえて大学を留年し、再チャレンジする者もいましたが、不合格となった瞬間、全く未練がない自分に気が付きました。その後も紆余曲折があり、最終的に教職に就くことになりますが、結果として教職は私にとって天職でした。しかしながら、高校時代はもとより、大学でもほとんど関心が持てず、この職業の魅力に気付くことができませんでした。
今振り返って見ると、それは自分が未熟であったためでした。教職のすばらしさに気が付く力が不足していました。大学の4年間で成長して、ようやく魅力に気付く力を得ることができた。そういうことだったのではないかと思います。
まとめます。皆さんには、大学生活を通じて、自分が好きなこと、仕事にできることを見つけてほしいと思います。一方で、皆さんが未熟なままでは気付かないことがあります。皆さんの本業である大学での学び、研究にしっかり取り組んで、皆さんが成長することで、自分が本当に好きなことに気付く力を身に付けてほしいと思います。
頑張ってください。応援しています。
ここで、保護者の皆様に申し上げたいと存じます。これまで本校の教育に御理解と御協力を賜りありがとうございました。お子様がこのように立派に成長され、新しい人生に旅立つ逞しい姿に、心から祝福を申し上げます。卒業は、本人の努力の結果であることは言うまでもないことですが、それを支えた御家族の皆様の力強い励ましがあったおかげだと思います。このことに対し、心から祝意と敬意を表したいと存じます。
結びに、本日御臨席を賜りました皆様に重ねてお礼申し上げますとともに、66期卒業生348名の前途洋々たる人生を心から祈念し、式辞といたします。
令和7年3月14日
埼玉県立蕨高等学校長 山本 康義
努力を惜しまず更なる成長を(『蕨高新聞』第165号 巻頭言)
66期の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
私は皆さんの入学と一緒に蕨高校に着任し、皆さんと一緒に、人生で二度目の蕨高校での3年間を過ごしました。皆さんと共に過ごした3年間は大変充実した楽しい時間でした。皆さんはいかがだったでしょうか。
さて、高校を卒業する皆さんは、より上級の学校へ進学する者、また、私と同じように捲土重来を期す者、様々いらっしゃることと思います。卒業を祝い、餞のことばを贈りたいと思います。
「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思っています」
今年の1月22日に米国の野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が、2004年に262安打の年間最多安打記録を樹立したときに発したことばです。
66期の皆さんの蕨高校での3年間は、勉強にも、部活動にも、学校行事にも手を抜かず、全力で取り組む蕨高生としてのお手本そのものでした。自らの成長を信じ、努力を重ねる姿に、報道で出会ったイチロー氏のことばが重なりました。
この3年間、様々な蕨高校の卒業生と出会いましたが、多くの方から共通して、高校生のときには思いもよらなかった「とんでもない」遠いところまで来てしまったという思いを聞かせていただきました。
人生は長く、そして未来は明るく、皆さんの可能性はまさに無限大です。これまで同様、卒業後も、自らの更なる成長を期し、小さな努力を積み重ねていってほしいと思います。
創立70周年を成功させよう!(生徒会誌『さわらび』第62号校長のことば)
『さわらび』は2回創刊している。
最初の創刊は昭和36年3月。昭和32年創立の本校の歩みを残す「校誌」として、主に教職員の手によって編集されている。
2回目の創刊は昭和39年3月。通巻4号が生徒会誌1号として新創刊されている。この号から生徒の手による編集となり、現在に至っている。
24期の私は卒業時に『さわらび』20号をいただいた。卒業生の期数と卒業時の『さわらび』の号数の差は4。66期卒業時の今号は62号。一致している。
さて、『さわらび』は生徒会誌であるから、令和6年度の生徒の様子は様々な記事によって明らかとなる。「校誌」としての歴史もあることから、ここでは、学校全体の動きやできごとについて、掻い摘んで遺しておこうと思う。
まず、令和6年度、蕨高校は文部科学省の「DXハイスクール」の指定を受けた。11月1日には講師に映画・CM監督の大澤広暉氏を招き、「デジタル情報社会を生きる〜あるハリウッド映画・CM監督の場合〜」と題して講演していただいた。また、14日の県民の日には、早稲田大学・芝浦工業大学を訪問し、DX大学見学会を行った。
次に、県教育委員会と連携して、アントレプレナーシップ教育を行った。9月11日には1年生を対象に、早稲田大学から教授や学生を招き、ワークショップを行った。10月22日にはこれも1年生を対象に、3名の起業家を招いてパネルディスカッションを行った。
学校の公式インスタグラムを立ち上げ、8月20日に最初の投稿を行った。フォロワー数は11月28日現在、1700件を超えている。
進路指導の一環として、7月31日に東北大学へ大学見学ツアーを行い、9名の生徒が参加した。
オーストラリアへの海外派遣研修は、7月27日にブリスベンに向け出発した。29名の生徒が参加し、ホームステイをしながら現地校の学生と交流した。8月31日・9月1日の蕨高祭では、PTAの国際交流部と連携し、参加した生徒が概要を報告した。
外国語科の第二外国語「フランス語」選択者を対象に毎年行っているフランコフォニー(仏語圏大使館員による出前授業)は、今年は6月7日にコートジボワール大使館の職員による出前授業が行われた。
5月11日の第1回を皮切りに、「学校公開」として年7回、本校の授業を公開した。今年は新たに「校内見学ツアー」を設け、図書館や学食も案内し、好評を博した。
昭和32年の創立以来、共学校として、お隣の旧浦和市の県立浦和高校に「追いつけ、追い越せ」をキャッチフレーズにがむしゃらに頑張ってきた蕨高校も、令和9年に創立70周年を迎える。新年度からの準備期間は2年間。生徒会会員の皆さんの更なる奮闘を大いに期待する。
66期の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。後輩たちの頑張りを、一緒に応援しよう。
蕨高校、永遠に幸あれ!
「人生を変えた一冊」を見つけよう(図書館報『若い樹』第100号 校長のことば)
図書館報『若い樹』100号おめでとうございます。
1973年度まで年2回発行だったようです。創刊号は1960年6月25日に『図書館月報』として発行され、第10号から「若い樹のようにすくすく伸びるように」との思いから『若い樹』と改名されたとのことです。
図書館には第1号からありました。「発刊のことば」を書いたのは、須田修敬さん。冒頭の一文を再掲します。
「心の栄養ともいうべき図書、それを沢山収蔵してある“知識の宝庫”とも云うべき図書館より、館報第一号として「月報」の名において水無月の今日、委員や他の人々の努力、協力により皆さんのもとにお配り出来ますことを大変嬉しく思います。」当時の蕨高生の図書や図書館に対する思い入れがストレートに伝わってきます。
初めて『若い樹』と名乗った第10号は1962年7月発行。「編集後記」には、「いままでは『月報』という名前でしたが、編集委員の希望により『若い樹』と改めました」とありました。生徒主体の編集スタイルであったようです。
特筆すべきは1981年11月に発行された第53号です。「特集 活躍する女流作家」として4人の女流作家を取り上げ、実際に曾野綾子氏、永井道子氏には図書委員がインタビューを行い、誌面を構成しています。当時の図書委員会の行動力には驚くばかりです。
教職員が登場する場合は、お薦めの図書の紹介が多いようです。そこで、私も「人生を変えた一冊」は大袈裟ですが、本を一冊紹介したいと思います。
『カンカラ作文術 プロが教える合格文章の書き方』。著者は毎日新聞社局長(山崎塾塾長)の山崎宗次氏。すでに絶版になっているようです。
蕨高校を卒業し、浪人を経て大学に入学した私は、弁論を扱うサークルに入りました。大学3年になり、就職活動を始める時期になりました。漠然と、社会問題を扱うテレビや新聞などのメディアへの就職を考えていた私に、サークルの先輩が勧めてくれたのが、自身も所属していた山崎塾でした。
かなり以前の昭和の話ですが、NHKのドラマ「事件記者」に登場する「ヤマさん」という記者がいます。その「ヤマさん」のモデルとなっていたのが、著者の山崎宗次さんでした。私や先輩が所属していたサークルの先輩というご縁もありました。
こうして私は、山崎塾の20期の塾生となり、放送局や新聞社から内定を勝ち取るべく勉強を始めました。塾では塾長から幹事を命ぜられ、同期約60人のとりまとめも任されました。ところが、私は、山崎塾最後の塾生となってしまいました。
私が大学4年の7月、塾長はゴルフ場で倒れ帰らぬ人となりました。52歳でした。
この夏の就職試験でマスコミは全敗。11月になって、併願していた教員採用試験の合格が知らされました。ところが卒業直前の3月になって、夏に不合格だった毎日新聞から2次募集の誘いを受け、すでに公務員内定と断った上で面接を受けたところ、記者職の内定を得てしまいました。
最終的には蕨高校の恩師の一言が私の背中を押し、教職を選択しましたが、あれだけ憧れていた新聞社の記者職の内定を辞退した背景には、塾長の急逝が大きく影響していたのかもしれません。
ということで、私は塾長から教わったマスコミ就職試験合格の極意「カンカラ作文術」を手に、国語の教員として教壇に立つことになりました。私が塾長から学んだ作文術のエッセンスは、今回紹介する『カンカラ作文術』に書かれてあります。塾長への謝意と敬意をこめて、高校の後輩である皆さんに、その概要を伝えます。
本書には「合格の秘訣は『カンカラコモデケア』に尽きる」とあります。
「カン」は感動の「カン」。よい題材が感動を生む。ふだんから感動的なエピソードを仕込んでおくことが重要。
「カラ」はカラフルの「カラ」。頭のいい人はカラフルな文章を書く。カラフルな表現を心掛けろということです。
「コ」は今日性の「コ」。「今日性」というくせ者を利用せよ。「くせ者性」を逆手に取れということです。
「モ」は物語性の「モ」。斬新な発想で読者を引き込む一流のストーリーテラーになれということです。
「デ」はデータの「デ」。数量や日時などのデータは文章が引き締まり信憑性が増す。準備しておけということです。
「ケ」は決意。問題を浮き彫りにして、自分ならこうするという一大決心を表明することが重要。
「ア」は明るさ。明るい作品は読む人を楽しくさせる。スポーツなど、題材には明るいものを選べということです。
皆さん自身の「人生を変えた一冊」を見つけることを期待しています。
第2回学校評価懇話会 校長あいさつ
皆さんこんにちは。校長の山本でございます。本日はお忙しい中、本校の第2回学校評価懇話会にご出席を賜りありがとうございます。
さて、令和6年度も、林間学校や蕨高祭、修学旅行など、多くの学校行事を生徒の皆さんが主体となって実施することができました。
この学校評価懇話会は、今年度の学校運営について、生徒の皆さんにも、委員の一人として意見を求めるものです。ぜひとも、建設的なご意見をいただくことを期待しています。皆様からいただいたご意見は、令和7年度の学校運営に生かしてまいりたいと存じます。
ここで1点お知らせがございます。埼玉県教育委員会から、本校のスクール・ミッションの案が示されましたので、紹介したいと思います。スクール・ミッションとは、学校の存在意義や期待されている社会的役割、目指すべき学校像を提示したものです。
本校のスクール・ミッションは「進路希望を実現する文武両道の学校として、学習や学校行事、部活動の他、充実した外国語教育や多様な国際交流プログラム等の教育活動を行い、グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人材を育成します」となっております。
今月中に公表されるとのことですので紹介させていただきました。
それでは、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
第2回学校評議員会 校長あいさつ
皆さんこんにちは。校長の山本でございます。本日はお忙しい中、本校の第2回学校評議員会にご出席を賜りありがとうございます。
学校の近況でございますが、3年生は家庭研修に入っており、国公立大学の二次試験や私立大学の入試に向け、追い込みをかけているところでございます。多くの3年生が引き続き登校して勉強しておりますので、学習スペースの提供や質問等への対応など、最後までしっかりサポートしてまいりたいと思います。
さて、この後の学校自己評価システムシートの説明でも触れますが、本校は今年度、いくつかの新たな取組を行ってまいりました。
デジタルなどの成長分野を支える人材を育成するDXハイスクールですが、今年度は早稲田大学や芝浦工業大学を訪問したDX大学見学や、「映像×DX」をテーマとした講演会などを実施しました。年末には日本薬科大学で行われた生徒探究活動発表会で、演劇部の生徒がポスターセッションを行うなど、その成果の一端を発表しました。
アントレプレナーシップ教育、いわゆる起業家教育では、教育委員会と連携したワークショップや、実際の起業家3名によるパネルディスカッションなどを行いました。
3年目となるチーム県立高校オンライン講座では、本校の授業を他校の生徒に提供し、他校の授業を本校の生徒が受講する取組を行いました。本校の様子は朝日新聞にも取り上げられました。
本日は、こうした取組も含め、本校の1年間の教育活動を皆さまに評価していただきます。よろしくお願いいたします。
最後に、県教育委員会が定める、本校のスクールミッションについて説明させていただきます。本校のスクールミッションは、「進路希望を実現する文武両道の学校として、学習や学校行事、部活動の他、充実した外国語教育や多様な国際交流プログラム等の教育活動を行い、グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人材を育成します」となっております。今月中に公表されるとのことですので、皆さまにも予めご了承いただきたいと思います。
それでは、本日はよろしくお願いいたします。
第4回学校説明会 校長あいさつ
皆さんおはようございます。校長の山本でございます。
私立高校の入試も始まっている中、また大変お忙しい中、本校の第4回学校説明会にご参加くださいましてありがとうございます。公立高校の出願を控えておりますので、中学3年生の皆様にとりましては、出願校を決めるまさに最終段階を迎えていらっしゃることと思います。また本日は、中学2年生の皆様もご参加いただいていると聞いております。本校にご関心を寄せていただき、ありがとうございます。
さて、先日アメリカでは、トランプ大統領が就任しました。報道によれば、今や世界中が、彼の様々な発言に耳を傾け、今後の対応について検討しているとのことです。我が国も今後、このトランプ政権とどのように対峙していけばよいのか、まさに「正解のない課題」に向き合っていかなければならないのではないかと思います。
皆さんが生きていく時代は、このように予測できない未来を前提に、自ら課題を設定し、仲間と協働して知恵を絞り、解決策を提案していく、そんな力が求められてくるのではないかと思います。
皆さんの将来は明るく、まさに無限大ですが、皆さんは高校の3年間、そして大学や大学院などの数年間で、飛躍的に成長するのではないかと思います。皆さんにとって人生で一度きりのかけがえのない3年間。このことに思いを馳せるとき、高校選びはとても大切です。そしてこの高校3年間は、大学へつながる3年間でもあります。皆さんにはぜひとも、この蕨高校を選んでいただきたいと思います。この後本校の職員から詳しい説明がございますので、私からは、本校の理念である「目指す学校像」を中心にお話しさせていただきます。
本校の「目指す学校像」は、「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」でございます。「生徒の進路希望の実現」に「文武両道」というスタイルで取り組むことを特徴としております。
はじめに「進路希望の実現」を掲げておりますので、現状を確認しておきたいと思います。恐れ入りますが、お手元の学校案内の11ページをご覧ください。昨年春の実績ですが、国公立大学102名、うち現役合格93名、早慶上理現役合格67名、GMARCH現役合格348名、現役進学率は92.5%となっております。
「生徒の成長」という点に目を向けますと、大学はどこも同じでは決してないと考えます。本校では、よりよい学びの環境を求めて難関大学への進学を希望する生徒をしっかりとサポートしております。学校案内には、京都大学以下、難関国公立大学の合格件数をお示しておりますが、生徒の希望を踏まえ、さらに多くの生徒が合格できるよう力を入れております。
本校の授業は、基礎・基本の習得を大切にしており、対話型の形式を多く取り入れております。「授業を聞く」というインプットのみならず、自ら発信するアウトプットの機会を多く設けることで、理解を深める工夫をしております。本校は外国語科を設置しておりますが、普通科も含め、英語の指導には特に力を入れております。現在の3年生は、6割を超える生徒が英検2級以上の資格を持っており、およそ50名の生徒が準1級を取得しております。
また、「文武両道」を掲げる本校は、部活動や学校行事、委員会活動等が盛んです。多くの生徒がこれらの活動に積極的に参加し、勉強と両立させています。
「目指す学校像」では、「グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」と続けておりますが、外国語科を設置する本校は、国際交流活動が盛んです。
ここ数年は毎年留学生を受け入れており、現在は中国、ニュージーランド、ベルギーの留学生が在籍しております。生徒主体の「留学生との交流会」も開かれており、学校生活を通して国際感覚を磨くことができます。オーストラリアへの短期派遣研修の他、県の事業のグローバルリーダー育成プログラムを活用して、3名の生徒がシンガポールに行っています。
外国語科は独自のプログラムとして、1年生を対象に日本語禁止の宿泊研修「イングリッシュ・キャンプ」を行っているほか、第二外国語の授業の一環として、フランス語圏の大使館員による出前授業や、日中高校生オンライン交流などを行っております。
本校の進路指導は「大学進学の先を見すえて目標は高く」を合言葉に、多種多様な進学補講、卒業生の協力による社会人講演会や卒業生との懇談会、きめ細かな個別指導を特徴としております。現在は共通テストを終えた3年生に対して二次試験の出願に向けた個人面談を行っています。「個に応じた指導」が充実しているところも、本校の強みとなっております。
以上、本校の「目指す学校像」をもとに、本校の特長についてお話させていただきました。
最後に、一番大切なことについてお話しします。お手元の学校案内の表紙をご覧ください。冒頭でお話しした進路実績は「本校の総合的な教育力の表れ」と見ることもできますが、こうした実績を支えている生徒は、実は今、皆さんが目にしている表紙のことば「Wの挑戦」に共鳴して本校に入学しています。多くの生徒が「挑戦する蕨高生」になるという、強い決意をもって入学してきます。
いかがでしょうか。本校の目指すところをご理解いただき、是非とも、本校の門を叩いていただきたいと思います。
本日は職員の説明に続いて、授業見学、午後には部活動見学のお時間も用意させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
12月全校集会 校長講話
皆さんこんにちは。12月の全校集会を迎えました。
10月に入って後期が始まって以来、部活動をはじめ、皆さんの活躍には目覚ましいものがありました。バトン部は11月に全国大会に出場し、陸上部は10月に関東大会に出場しました。サッカー部や男子バレー部をはじめ、多くの部活動が県大会に出場し健闘しました。埼玉県高等学校スピーチコンテストは銅賞、英語劇発表大会では、上川杯とベストパフォーマー賞を獲得しました。
皆さんが日ごろコツコツと継続している努力が、次々に花開いて成果を上げている、そんな印象を持っています。
さて、先日、本校野球部のOBと話をする機会がありました。彼はたまたま、9月の秋季大会、南部地区代表決定戦を観戦したそうです。この試合の対戦相手であった浦和実業は、春の選抜で甲子園への出場が見込まれています。本校は1点差で惜敗しましたが、彼はこの試合が接戦で、いかに互角の戦いであったかを、熱く語ってくれました。野球部については、4月の試合で川口市立に敗退した印象が強く残っていましたが、先輩の思いを引き継ぎ、夏の練習や遠征を経て、チームとして「やれる」「できる」という手ごたえを掴んだのではないかと思います。今後の成長に大いに期待しています。
「やれる」「できる」という思いをもってことに臨むのと、そうでないのとでは、得られる結果に大きな差が生まれるのではないかと思います。来月に共通テスト本番を迎える3年生への激励の思いも込めて、最近読んだ『マインドセット「やればできる!」の研究』という本の話をしたいと思います。
「マインドセット」とは、「心のあり方」のことです。この本では、自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている「硬直マインドセット」と、人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができると考える「しなやかマインドセット」を対比しています。「硬直マインドセット」の人は、「つまずいたらそれでもう失敗」「努力は忌まわしいこと」と考えていますが、「しなやかマインドセット」の人は、「成長できなければ失敗」「努力こそが人を賢く、有能にしてくれる」と考えているということです。
入試の本番を控え、「失敗できない」と誰もが思っていると思います。部活動などにおいても、試合当日は極度の緊張に見舞われるものです。そんなときは、「しなやかマインドセット」の考え方を取り入れるとよいと思います。「つまずいたら失敗」ではありません。大切なことは、自らの成長です。人間の資質は努力することで伸ばすことができます。ソウルオリンピック七種競技で金メダルを獲得したジャッキー・ジョイナー・カーシーは本の中で「自分はまだまだ伸びると思えば、意欲が湧いて気持ちが奮い立つ」と述べています。
3年生の皆さんには、この「しなやかマインドセット」を身に付け、本番に臨んでもらいたいと思います。皆さんの資質は、努力することによって、どんどん伸ばすことができます。かくいう私も浪人中の11月の模試で英語の偏差値が50を割り込んでいましたが、入試の本番に間に合いました。皆さんはまだまだ成長します。努力を継続してほしいと思います。
ちなみに3年生は現在、50名を超える生徒が英検準1級を取得しており、英検2級以上の取得者は6割を超えています。1,2年生の皆さんも、この「しなやかマインドセット」で勉強に、部活動に打ち込む充実した冬休みを過ごしてほしいと思います。頑張りましょう。以上で校長講話を終わります。
バトン部 全国大会壮行会 校長より激励
ただ今紹介がありましたが、バトン部の皆さんは、11月19日(火)に所沢市民体育館(埼玉)で行われたダンスドリル秋季競技大会関東大会のSONG/POM部⾨ Large編成で2位となり、来年1月12日(日)に、東京都の武蔵野の森総合スポーツプラザで行われるDance Drill Winter Cup 2025・第十六回全国高等学校ダンスドリル冬季大会に出場されるということです。
まずは、11月に引き続き、全国大会への出場おめでとうございます。
本校はLarge編成ということで、2年生15名、1年生11名のあわせて26名の選手の皆さんが出場されるということです。この競技は、全員で心を合わせた演技が求められるだけに、どの選手にもやりがいのある競技なのではないかと思います。当日の試合では、最も華やかで、最も迫力のあるステージとなるよう期待しています。日ごろの練習の成果を遺憾なく発揮して、全国大会でもぜひ頑張ってください。応援しています。
第3回PTA・後援会合同役員会 校長あいさつ
皆さんこんにちは。いつも大変お世話になっております。校長の山本でございます。8日金曜日の強歩大会では、保健厚生部の皆様による給水のご支援を賜りましてありがとうございました。おかげさまで、すべての生徒が完走することができました。
さて、しばらく前になりますが、7月23日に、千葉県の幕張メッセで行われた、関東地区高等学校PTA連合会大会に、舞原後援会長とともに出席してまいりました。お手元の資料を基に、概要を報告させていただきます。
開会前のアトラクションでは、千葉県立幕張総合高等学校シンフォニックオーケストラ部の皆さんによる演奏に引き続き、柏おやじダンサーズの皆さんによるダンスパフォーマンスが行われました。
開会行事では、主催者挨拶、来賓祝辞に引き続き、大会宣言文が採択されました。
開会行事の後には、一般社団法人スクールポリス理事の佐々木成三さんによる記念講演が行われました。実例に基づいたSNSの危険性や必要な情報判断能力などについてのお話は、わかりやすく、説得力のあるものでした。
一緒に参加していた川口ブロックの校長先生も自校のHPで書いていましたが、「自分には見えていないものが多くあることを知ること、発見力の大切さ」を実感させられた一日となりました。
お手元の資料の裏面に、今回採択された大会宣言文を載せさせていただきました。
上から三つ目の段落でございますが、高校における新しい学習指導要領の実施を踏まえ、子どもたちは、「自律」すなわち自ら立てた規範やルールに従って、自分のことは自分で判断し、しっかりと行動することが強く求められていること、このためには、学校・家庭・地域が連携することが極めて重要であり、保護者と教職員とが協力し、学び合い、高め合ってこそ子どもたちの「自律」が達成されると書かれてあります。
そして、上から六つ目の段落では、子ども・保護者・教職員すべての自己実現のためPTA活動を活性化させていくことをここに宣言すると結んでおります。
「子どもたちのためのPTA活動」という原点を学ばせていただいた思いがいたしました。自分には見えていなかったものが数多くある、発見力の大切さについて、思いを新たにいたしました。
思い起こしますと、私が校長に着任して、蕨高校の1期生から65期生までの、現役の国公立大学の合格件数を調べたことがございました。24期の私の代は24人でしたが、50周年記念式典の年に初めて40人を突破し、60周年記念式典の年に60人を突破したという事実がございます。申し上げるまでもなく、周年行事はPTAや後援会、同窓会や地域の皆様が結集し、お祝いしていただくものですが、そうした大人たちの盛り上がりを意気に感じた生徒たちが、進路実績において結果を残す。私はこれを、蕨高校の「勝利の方程式」と呼んでおりますが、PTAの活動が充実することで、子どもたちによい影響が及んでいるということについて、私は確かな手ごたえを感じております。
お忙しいこととは存じますが、本校のこれまでの流れや状況をご理解いただき、引き続き、子どもたちのために、PTA活動をよりよいものにしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【参考】第70回関東地区高等学校PTA連合会大会千葉大会 大会宣言文
近年は、新型コロナウイルス感染症の影響や世界的規模の気候変動による想定外の自然災害等の脅威にさらされています。また、情報通信技術の進歩に伴う高度情報化社会への急激な変化は、子どもたちの生活に大きな影響を与えています。さらに、令和2年から3年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学校は学習活動や体験活動の自粛を余儀なくされ、その結果、子どもたちの学力や体力、対人関係などへの影響が心配されています。
新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月より感染症法上の位置づけが5類へと移行され、日常生活も戻りつつありますが、社会全体を大きく変化させ、学校も含め人々の生活に大きな変化をもたらしたことも事実です。社会においてはデジタル化の波に拍車がかかり、学校においても一人一台の端末が整備される時代となり、ICTの活用で生徒が幅広い視点から自身のキャリアを考える機会が増えました。そのような中、「チャットGPT」などの対話型人工知能(AI)を授業の中で取り入れる取組も進み、学習指導や生活指導に関する指導方法も変わりつつあります。
さて、高校においても新しい学習指導要領が今年度からすべての学年において実施される中、子どもたちは自分を見失わず、『自律』すなわち自ら立てた規範やルールに従って、自分のことは自分で判断し、しっかりと行動することが強く求められています。
このためには、子どもたちだけでなく、学校・家庭・地域が連携することが極めて重要であり、保護者と教職員とが協力し、学び合い、高め合ってこそ子どもたちの『自律』が達成されるのです。したがってこの連携の大切さを今こそかみしめていく必要があります。
本年度、第70回関東地区高等学校PTA連合会大会が千葉の地で開催され、関東地区高等学校のPTA会員が、豊かな自然や環境に恵まれている千葉のポテンシャル(潜在能力)を活かし、学校教育や家庭教育について、地域社会とのかかわりの中から、未来を生きる子ども達のため、持続可能な開発のための教育を見据えながら研究協議を重ねることは大変意義深いものがあります。
子どもたちの健全な育成や教育環境の整備は、喫緊かて不易の課題として、「学び、行動するPTA」を実践し、社会教育、家庭教育の充実と子ども・保護者・教職員すべての自己実現のためPTA活動を活性化させていくことをここに宣言します。
一 子どもたちが時代や環境の多様化へ柔軟に対応できる心や考えを育成する。
一 自らの行動を自律と自立を持って、判断、実行できる資質を身に付ける教育を支援する。
一 親子が相互に意志や気持ちを受け止め、尊重しあう親業の推進を支援する。
一 家庭・学校・地域のそれぞれの役割や立場を意識した教育の推進を支援する。
一 子どもたちをサポートし、親が集い、つながり、学ぶPTAの育成を推進する。
49期35歳合同クラス会 来賓挨拶(校長)
皆さんこんにちは。校長の山本でございます。本日は合同クラス会の開催誠におめでとうございます。恩師の皆様におかれましても、ご臨席を賜りありがとうございます。私は本校24期の卒業生でございます。令和4年に着任し、現在3年目でございます。
私事で誠に恐縮ですが、私の知人の職場に本校普通科の49期生の方がいらっしゃるそうです。先日行われたAPEC、アジア太平洋経済協力の担当として、南米のペルーに海外出張に行ったとのことです。本日は残念ながら所用のためご欠席とのことですが、49期生には「グローバルな舞台で活躍」というイメージを強く持っています。
さて、皆さんが過ごされた3年間を振り返ってみますと、皆さんのご入学は2005年、平成17年でした。当時の坂巻校長は、皆さんが1年生の3月に、アメリカ・ペンシルバニア州のテンプル大学と教育連携協定を締結しています。そして、皆さんが2年生だった2006年、平成18年は、新たに鈴木校長が着任され、文部科学省からスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール、いわゆるセルハイの指定を受けるとともに、11月には創立50周年の記念式典を挙行しています。
現在の本校の「目指す学校像」は「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」となっています。こうして振り返って見てみますと「次世代のグローバルリーダーの育成」という本校の原点は、49期の皆さんの代にあったのではないかという思いを強くいたしております。
また、現在の本校は「生徒の進路希望の実現」を第一に掲げております。現状ですが、国公立大学の現役合格は93名、現役進学率92.5%となっております。浪人生も頑張りまして、この春は京都大学に2名が合格しております。
実はこの点も、49期の皆さんが原点ではないかと思われます。私が卒業生と先ほどお伝えしましたが、24期の私の代の国公立大学の現役合格は24名でございました。40名の大台に乗ったのが、皆さんの一つ上の48期、皆さんの49期は52名と、蕨高校始まって以来の50名越えを達成しています。以降、創立60周年の年に60名を超え、令和に入って100名を超えるようになり、現在に至っております。49期の皆さんの頑張りがあって現在の蕨高校があると言っても過言ではないと思われます。
その他近況をお知らせします。臨海学校はコロナ禍を受け中止となり、令和4年度から林間学校として、苗場プリンスに宿泊し平標山に登る内容で実施しています。オーストラリア海外派遣研修は昨年度から再開し、今年は29名が参加しました。学校公式Instagramを今年度から立ち上げ、フォロワー数は1,700名を超えています。夏の制服について、生徒の意見を受け、今年から紺のポロシャツを試行しています。蕨高祭の後夜祭では、文化祭実行委員会の提案で、昨年度は校庭で本格的な打ち上げ花火、今年度はバルーンリリースを実施しました。生徒は昔と変わらず学校生活を満喫しております。
本校は令和9年度に創立70周年を迎えます。50周年を経験した皆さんがそうであったように、周年行事を同窓生の皆様に盛り上げていただくことで、意気に感じた生徒が成果を上げるという「勝利の方程式」も期待できるのではないかと思います。本日の合同クラス会を契機として、一層のご支援を賜りますことをお願いし、あいさつに代えさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
バトン部全国大会壮行会 校長より激励
ただ今紹介がありましたが、バトン部の皆さんは、今月24日に千駄ヶ谷の東京体育館で行われる、全国大会である第24回全日本チアダンス選手権大会の決勝大会に出場されるということです。
新チームになって初めての全国大会への出場おめでとうございます。
皆さんは、10月に神奈川県平塚市の平塚総合体育館で行われた第24回全日本チアダンス選手権大会関東予選大会を経て、全国大会への切符を手にされました。
高校生編成Pom部門Largeでの出場ということです。ぜひ当日は、広いステージいっぱいに展開する、蕨高校SPARKLESの迫力のある演技を、全国のファンの皆さんに見せていただきたいと思います。日ごろの練習の成果を大いに発揮して、活躍されることを期待しております。頑張ってください。
なお、バトン部の皆さんは、今月19日に所沢で行われたダンスドリル秋季競技大会の関東大会で部門2位となり、1月に東京都で行われる全国大会への出場が決まったとのことです。重ねておめでとうございます。こちらの壮行会は後日改めて行われるとのことです。まずは今週末の全国大会、全力で頑張っていただきたいと思います。
第3回学校説明会 校長あいさつ
皆さんこんにちは。校長の山本でございます。本日は大変お忙しい中、本校の第3回学校説明会にお集まりいただきありがとうございます。
さて、今日は11月16日ということで、皆さんの受験校の選択も、いよいよ佳境に差し掛かっているのではないかと思います。実は、本校の高校3年生も、皆さんと同様に、自らの進路希望の実現に向け、追い込みに入っているところでございます。
令和7年度の大学入試は、高等学校の新しい学習指導要領による入試の初年度ということで、新たに「情報Ⅰ」が加わるなど、大学入試共通テストにも大きな変更が見られます。一方、従来のAO入試である総合型選抜に加え、新たに基礎学力テスト型の学校推薦入試が年内に始まるなど、大学入試をめぐる状況は、大きく変化しています。
しかしながら、本校の多くの生徒が第一志望としている、国公立大学をはじめとする難関大学では、引き続き一般入試に多くの定員を設けております。早稲田大学をはじめ、学部によって共通テストを必須とする私立大学も多くあります。
ところで、いささか唐突ですが、アメリカのメジャーリーグ、ドジャースの大谷翔平選手や山本由伸選手の活躍は、皆さんの記憶にも新しいところではないかと思います。ドジャースはワールドシリーズで優勝しましたが、その中心に日本人選手がいる映像を見て、私は改めて、これからの時代は、様々な分野で、世界で通用する日本人が求められているという思いを新たにいたしました。
現在中学3年生の皆さんにとっては、まさにご自身の未来に直結する「自分ごと」であり、これからの高校3年間の過ごし方が、皆さんのその後の人生に大きく影響するのではないかと思います。
本校は「目指す学校像」の中で、「グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」と謳っております。これからのグローバルな社会における課題解決に挑む人材には、文理融合、リベラルアーツを身につけることが求められています。リベラルアーツは「教養」と訳されます。様々な科目をしっかり学ぶことが、グローバルな課題解決に挑む人材を育成することにつながるのではないかと考えております。
本校の普通科の教育課程は、2年生まで共通の内容となっており、文理分けは3年生からとなっています。これは、先ほど申し上げた「リベラルアーツ」の考え方に基づくものです。例えば数学は、DX人材育成に欠かせない重要な科目ですが、本校では2年生まで全員がしっかり学びます。冒頭で申し上げましたように、大学入試も様々な改革が行われておりますが、国公立大学をはじめとする難関大学は、引き続き、多くの募集定員を一般入試に充てております。文系の生徒であっても、国公立大学への進学を積極的に選択できるカリキュラムとなっております。
次に、本校の生徒は「文武両道」というスタイルで、部活動・学校行事に全力で取り組む3年間を過ごします。各種委員会活動も活発です。文化祭実行委員会や放送委員会、図書委員会などの活動を通じて、プロジェクトを運営する経験を積み、コミュニケーションの力を高めております。
グローバルな社会で活躍する未来を想定すると、高校の3年間で、語学の力をはじめ、複雑な国際社会を理解する素養を高めておくことが必要となります。
まず外国語科ですが、ディベート・ディスカッションやエッセイライティングなどの、外国語科特有のユニークな授業を通じて、英語4技能を自在に操れるレベルまで高める指導を行なっております。また、第二外国語の授業もあり、フランス語、ドイツ語、中国語など、言語を学ぶことで、国際理解のための視野を広げる学びを展開しております。さらに、英作文やスピーチ、ディベート、英語劇などの各種コンテストへの参加を通じて、英語の応用力を高めるとともに、仲間との絆を深めております。
次に、各種検定試験への支援です。本校の生徒は、普通科を含め、その多くが入学時に英検準2級相当以上の英語力を持っています。英検準1級など、より上位の資格の取得を目指す生徒も多くおりますが、面接対策など、丁寧な個人指導を行っております。
その他、毎年夏のオーストラリアへの短期派遣や留学生の受け入れなど、グローバルリーダーとして活躍するための学びの環境を整えております。
進路指導につきましては、この後進路指導主事から詳しい説明がございます。お手元の学校案内の11ページをご覧ください。この春の合格実績は、国公立大学102名、早慶上理現役67名、GMARCH現役348名、現役進学率は92.5%となっております。国公立大学は難関大学の合格数を示しておりますが、この春は浪人生も頑張りまして、京都大学に2名が合格しました。難関大学を志望する生徒が多くおりますので、一人でも多くの生徒が第一志望に合格できるよう、学校を挙げてサポートしております。
個人面談につきましては、1,2年生は年3回、3年生は年5回実施しています。模試分析によるデータをもとに、一人ひとりに応じたきめ細かなアドバイスを行っています。通常補講や夏季補講・冬季補講は、より高度な内容を扱う難関大学志望者向けのものから、基礎基本の定着を目指すものまで、様々なレベルのものを用意しております。学校で行う補講には、生徒の実態に合ったものが選択できるというメリットがあります。また、本校では1年生対象の社会人講演会や、2年生対象の「卒業生との懇談会」「受験速報会」など、卒業生が生徒の進路選択を、全面的にバックアップしています。
生徒の志を高める観点からは、大学の教員等各界の専門家が直接生徒に語り掛ける「蕨高セミナー」を実施しています。昨年度は年5回実施しました。このように、難関大学の合格に向けた数々の「仕掛け」が充実しているのも、本校の特色となっております。
その他、学校の中には、図書館だけでなく、生徒が自習するための学習室や、進路指導室前や3年生のホームルーム前に置かれた学習スペースが整備されており、毎朝、早い時間から多くの生徒が自分のペースで勉強しています。
いかがでしょうか。蕨高校は文武両道。部活動にも、学校行事にも全力で取り組みながら、教職員や仲間のサポートを受けた環境で確かな学力を身に付け、自ら高く掲げた第一志望の進路を実現する、そんな熱い3年間が皆さんを待っています。グローバルな社会で活躍する皆さんの夢を実現するため、是非とも本校の門を叩いていただきたいと思います。皆さんの挑戦をお待ちしております。
この後、本校の教職員や生徒から、さらに詳しい説明が続きます。よろしくお願いいたします。
第65回強歩大会 校長あいさつ
おはようございます。いよいよ第65回強歩大会が始まります。
この強歩大会の目的は、昔も今も「強い体力と精神力を養う」となっています。
そして、競う方の「競歩」ではなく、強い方の「強歩」大会ですので、ライバルは自分ということになります。皆さんの自己ベストの更新を目指してほしいと思います。
とはいえ、今日は皆さんの日ごろの行いがよかったこともあり、大変快晴に恵まれて、絶好の強歩大会日和となっています。思いのほか、高い気温となることが予想されます。
ぜひ、水分をしっかり取ることを忘れずに行ってください。
また、コースの中で少しでもおかしいと思うことがあれば、近くの先生や仲間に伝えていただいて、少しでも早く対応できるよう、ご協力をお願いします。
それでは、事故がないように頑張りましょう。よろしくお願いします。
第2回学校説明会 校長あいさつ
皆さんこんにちは。校長の山本でございます。本日はお忙しい中、本校の第2回学校説明会にお越しくださいましてありがとうございます。
さて、本日は中学3年生の皆さんと保護者の皆様が参加されていることと思います。中学3年生の皆さんは、令和7年、2025年に高校1年生、現役で進学されますと、令和10年、2028年に大学1年生、そして、令和14年、2032年に社会人1年生、または、大学院1年生、多くの方がこのような形になるのではないかと思います。皆さんの就職活動が本格化する大学3年生は令和12年、2030年。現在の高等学校の学習指導要領は、この2030年の社会を想定してつくられています。現在ある仕事がなくなっている、あるいは、新しい仕事がたくさん生まれている。こんな話を聞いたことがある人も多いのではないかと思います。
本校では現在、埼玉県教育委員会と連携して、アントレプレナーシップ教育に取り組んでいます。1年生を対象に、9月11日に早稲田大学の教授や学生とワークショップを行い、今月の22日には、3名の現在活躍されている起業家の皆さんをお迎えしてパネルディスカッションを行いました。高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら新しい価値を創造する力など、これからの時代を生きていくために必要な力を育成することを目的として取り組んでおります。
中学3年生の皆さんは、これからの時代を生きていくために必要な力を身に付ける上で最も適した高校、大学を選ぶという切実な課題に直面されていることと思います。高校、そして大学は、どこも同じではありません。皆さんにとって本当にふさわしい選択をしていただく、そのお手伝いの一環として、本日は、蕨高校の特色について、説明させていただきたいと思います。
実は、蕨高校の特色は、本校の「目指す学校像」に集約されています。恐れ入りますが、お手元の学校案内の3ページをご覧いただきたいと思います。
本校の目指す学校像は、「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校~グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる~」でございます。
まず、「進路希望の実現」を真っ先に掲げています。育てたい生徒像は、後半の「グローバルな視点を持ち次世代のリーダーとして活躍できる人」でございます。こうした人材は、高校3年間はもちろんのこと、大学での学びもあわせて育成されるものと考えます。であるならば、高校卒業後の大学選びが重要となります。「行ける大学」ではなく、「行きたい大学」で過ごす4年間によって、皆さんの人生は大きく変わってくると思います。そう考えるとき、高校選びがますます重要になってきます。
蕨高校の特色は、中高一貫校では6年間で行っている進路実現に、3年間で、しかも「文武両道」というスタイルで取り組むところにあります。
申し遅れましたが、私は本校24期の卒業生です。蕨高校は私のころから文武両道、私も男子バスケットボール部を引退まで3年間継続し、本校の伝統行事である運動会、臨海学校、現在は林間学校ですが、強歩大会などを通して、人生の土台をこの蕨高校で築いてまいりました。私が聞いたところでは、昭和32年に蕨高校を当時の蕨町がつくる際、お隣の旧浦和市に県立浦和高校があるのであれば、蕨町には蕨高校が必要だということでつくられた、ということです。現在に続く体育的行事は、このような経緯のもと始まったようです。こうした数々の学校行事や部活動を通じて、知徳体のバランスの取れた「生きる力」を育む点は、蕨高校の特色の一つと言えると思います。
私は本校を卒業したのち、令和4年に校長として戻ってまいりました。着任当初に受けた衝撃は、今も忘れることができません。私の母校は、40年のときを経て、素晴らしい学校に変わっていました。わかりやすい例を挙げますと、国公立大学の現役合格件数です。24期の私の代は24人でございましたが、創立50周年の年に初めて40人に達し、創立60周年の年に60人を超え、令和に入って100人を超えるようになりました。つまり、ここ数年で急激に合格実績が向上しているということになります。
こうした合格実績は、えてして独り歩きしがちなものですが、合格実績をその学校の総合的な教育力の成果と捉えるならば、その要因が気になるところです。いったい何が蕨高校を変えたのか。私は当初、「授業がよくなったのではないか」と仮説を立てました。
あれから3年、私は毎年授業を観察しておりますが、本校の教職員の指導力には確かなものがあります。今週もいくつかの授業を見学しましたが、クラス全員取り残すことなく「授業がわかる」領域に引き上げていこうとする、教職員の強い意志を感じました。教職員の「わかる」授業に生徒が信頼を寄せる、その積み重ねが、現在の、勉強も、部活動も、学校行事も頑張る、蕨高校の校風を築いているのではないかと思います。
また、本校は普通科のほかに外国語科を有しており、国際交流活動が盛んです。
まず外国語科ですが、近年の本格的なグローバル化の進展を受け、その重要性がますます高まっています。普通科との最も大きな違いは、「ディベート・ディスカッション」や「エッセイ・ライティング」などの外国語科特有の授業があることです。英語4技能の実力を実際に活用できるレベルにまで高める内容となっております。一方、この春の卒業生が国公立大学に現役で7名合格するなど、大学の合格実績も普通科に引けを取りません。本校の外国語科で学んだ卒業生が、一橋大学の大学院を経て、この春からキャリア官僚として活躍しているなど、うれしいニュースも届いています。
次に国際交流活動ですが、毎年7月にオーストラリアへの短期派遣研修を実施しております。今年も29名の生徒がホームステイしながら現地の学生と英語で交流しました。また、留学生については、今年は中国やオーストリア、ニュージーランドやベルギーから受け入れており、日常的に交流が行われております。
最後に、「次世代のリーダーとして活躍できる人を育てる」観点からは、今年度は文部科学省の「DXハイスクール」の指定を受けており、DX人材の育成に努めております。今年は7月に進路指導の一環として、東北大学のキャンパスツアーに9名の生徒が参加しましたが、それに加えて、11月に早稲田大学と芝浦工業大学へ生徒による先進校視察に行くこととしております。また、DX教育に係る環境整備の一環として、アウトプットに必要な3Dプリンタも複数台、新たに購入しております。
本校普通科は2年生まで共通のカリキュラムとなっており、2年生まで文系・理系を問わず、数学をしっかり学びます。教科情報の授業の充実と併せ、未来のDX人材の育成に取り組んでまいります。
いかがでしょうか。「目指す学校像」に集約された、本校の特色につきまして、その概要を説明させていただきました。本日はこの後、教職員や生徒によるさらに詳しい説明が続きます。お手元の学校案内の表紙にございますように、本校は「Wの挑戦」、挑戦する蕨高生としてアグレッシブな高校3年間を過ごす決意を持った皆さんの入学を歓迎いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
社会人講演会 校長あいさつ
1年生の皆さんおはようございます。
火曜日のアントレプレナーシップ教育パネルディスカッションでは大変お疲れさまでした。3名の起業家のお話を聞いて、皆さんの進路選択の幅も大いに広がったのではないかと思います。また、皆さんの教室には、来月14日の県民の日に、早稲田大学と芝浦工業大学をそれぞれ訪問する「DXハイスクール大学見学会」の募集が掲示されています。一歩踏み出すチャンスです。多くの1年生の皆さんの応募をお待ちしています。
さて、本日の「社会人講演会」は、総合的な探究の時間の「職業研究」の一環として行われるものです。毎年、講師を、皆さんの先輩である、蕨高校の卒業生の方にお願いしています。本日はお忙しい中、本校33期の卒業生である、太田 真樹様にお越しいただきました。
本日は「人との出会いとチャレンジ~これまでのキャリアを振り返って~」と題してご講演をいただきます。
それでは太田様、よろしくお願いいたします。
アントレプレナーシップ教育プログラム パネルディスカッション 校長あいさつ
1年生の皆さんおはようございます。今日は、アントレプレナーシップ教育プログラムのパネルディスカッションということで、蕨市民会館まで集まっていただきました。
さて、「アントレプレナーシップ教育」と言えば、先月11日の水曜日に、ワークショップを体験していただきました。
ワークショップのベースになった「エフェクチュエーション」という考え方には5つの原則がありますが、ワークショップではそのうちの2つ、「手中の鳥」の原則と、「クレージーキルト」の原則について、実際に体験していただきました。
不確実性が高い時代にあっては、「手中の鳥」、まずは手持ちの手段に目を向け、「クレージーキルト」、あらゆるステークホルダーとパートナーシップを模索することが重要である、ということを、体験を通して理解してもらったのではないかと思います。
アントレプレナーシップ教育では、高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら、新しい価値を創造する力など、これからの時代を生きていくために必要な力を育成することが求められています。
本日は、埼玉県教育委員会のお取り計らいで、実際にご活躍されていらっしゃる3名の起業家の皆さんをお迎えし、パネルディスカッションの形式で、起業家の実際について学ぶことができる、貴重な機会を提供していただきました。
本日のパネルディスカッションの主役は、あくまで1年生の皆さんです。先日のワークショップで体験したアントレプレナーシップについて、パネラーの方々の実際のお話を伺いながら、皆さん自身が理解を深める絶好の機会です。本日のパネルディスカッションの内容を我がものとした皆さんが行動を起こし、チャレンジ精神や創造性、探究心などの起業家精神を身に付けることを期待しています。
以上であいさつを終わります。本日はよろしくお願いします。
修学旅行のしおり 校長のことば
修学旅行では、独自の歴史文化、自然、平和教育など、学校生活では得難い新たな視点を学ぶことが重要です。今回の訪問先の沖縄は、東西1,000km、南北400kmもの広大な海域に、大小160余りの島々が点在しています。美しい自然とともに、太平洋戦争の惨状を今に伝える多くの戦績が残されています。ぜひとも、沖縄を五感で体験し、生きる力、未来を創造する力を育んでもらいたいと思います。
皆さんが学んでいる歴史総合の教科書では、150ページに「日本の敗北」として沖縄戦が取り上げられています。なぜこのような悲劇が生まれたのか、また、どうすれば防ぐことができたのか。現地を訪れることにより、皆さん一人ひとりが、こうした問いに対する皆さん自身の答えを見つけることができることを願っています。
前期終業式 校長講話
皆さんこんにちは。前期の終業式を迎えました。
少し前になりますが、先々週の球技大会は大変お疲れさまでした。男子のバレーボールの試合では、初めはお互いに遠慮がちだったチームが、ゲームが白熱するにつれて協力し合うようになり、徐々に互いの絆が深まっていく様子を見ることができました。よく「クラスの絆」「受験は団体戦」と言います。絆は自然に生まれるものとも言えますが、意図してつくることも大切だと感じました。球技大会は素晴らしい。改めて思いました。
さて、これも少し前の話になりますが、7月の模試が返却されたことと思います。皆さんが受けることになる大学入試では、当たり前のことですが、試験範囲があるわけではなく、初めて見る問題に限られた時間で取り組むということになります。「基礎力の定着」が重要であると言われるのはこのためです。皆さんは、現在の時点でどの程度、この「基礎力」が身に付いているのか。これを測るのが模試、ということになります。蕨高生である皆さんであれば、学年を問わず、まずは各科目とも所謂「全国偏差値60」を目安にするとよいと思います。超えていれば一安心ですが、万が一、超えていない科目があった場合、早急に対策を施すことが必要です。次の模試は11月にあります。課題を放置することなく、基礎力の定着に向け、対策に着手してください。
ところで、2年生の皆さんは、7月の模試について、国語の中でも、漢文の成績がよかったという話を聞きました。私もかなり以前に国語の教員をしていましたので、この漢文にちなみ、「塞翁が馬」という故事の話をしたいと思います。
「塞」はとりで、「翁」はお爺さんという意味です。国境のとりでの近くに住んでいたお爺さんの馬が逃げてしまいました。皆が慰めましたが、後に逃げた馬は立派な馬を連れて帰ってきました。また、お爺さんの息子がその馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。皆が慰めましたが、そのけがのおかげで、息子は戦争に行かずに済みました。
この話は、一見不幸に思えたことが幸運に繋がることを伝える故事とされています。
先日の蕨高祭では、多くの本校の卒業生が、校長室に遊びに来てくれました。「塞翁が馬」ほどドラマチックな人生ばかりというわけではもちろんありませんが、多かれ少なかれ、様々な体験を経て現在があるというお話を聞くことができました。
皆さんは、「自らの人生」という映画の主人公として、今を生きています。この映画はまだまだ先が長いです。ちょっとした成功や、ほろ苦い失敗など、これからも数多くの経験をすると思います。たった四十数年ですが、蕨高校の皆さんの先輩として言わせていただくと、成功も失敗も「すべての経験が人生の糧となる」というのは本当です。
「塞翁が馬」と同じ意味を表す故事成語に「禍福はあざなえる縄のごとし」ということばもあります。この世の幸福と不幸は表裏一体、何が不幸のもととなり、何が幸せをもたらすかはわからないという意味です。失敗の裏には成功が付いているものです。
特に3年生は、進路実現も佳境に入ります。まさに「人間万事塞翁が馬」です。心配はいりません。皆さんには、球技大会で培ったクラスの強い絆があります。明日から後期です。「団体戦」で乗り切っていきましょう。以上で校長講話を終わります。
陸上競技部関東大会出場壮行会 校長による激励
まずは、関東大会出場おめでとうございます。
先ほど紹介がありましたが、安見君と柴原さんは、令和6年度県民総合体育大会兼埼玉県高等学校陸上競技新人大会兼関東高等学校選抜新人陸上競技選手権大会県予選で、安見君は男子200m、柴原さんは女子走高跳でそれぞれ入賞となり、来月19日から栃木県で開催される関東大会に出場するということです。陸上競技部としての関東大会出場は、3年連続ということになります。
日ごろの練習の成果が実を結び、勝ち取った関東大会への出場です。陸上競技部は、これまでも多くの卒業生が素晴らしい実績を残している歴史と伝統を誇る部活動です。関東大会でも、これまで培ってきた実力を遺憾なく発揮してもらいたいと思います。
頑張ってください。応援しています。